男子大学生の中絶体験記
【知っておきたい妊娠と中絶のこと】
筆者(ユウスケ氏)が大学生の時に、彼女の妊娠中絶手術を共に経験した時の記録を、男性側の目線で書き記した体験談です。
少しでも、妊娠された方や中絶をお考えの方にとって、後悔のない選択ができる手助けになれれば幸いです。
プロローグ
望まない妊娠が発覚した時、産むのか、中絶するか、とても悩まされるかと思います。
今回は、中絶すると言う選択をした場合にどのような流れで何をするのか、妊娠が発覚してから中絶後までの流れを16のステップにわけて説明します。
なお、ここで示す中絶手術の流れは、あくまで一例です。
妊娠期間や、手術を行う産婦人科クリニックによっても、検査・手術の方法や費用は異なります。
【1】生理の遅れ
まず、生理が遅れていて心当たりがある場合に、妊娠している可能性が出てきます。
男性側も、突然の妊娠発覚には非常に焦るかと思います。
この段階から、「生理が遅れている」と相手の男性に相談しておくといいかもしれません。
もちろん、問題なく生理がくれば何事もなく日常に戻ることになります。
【2】妊娠検査薬の使用
生理の遅れがあり、妊娠の可能性がある場合は、妊娠検査薬でセルフチェックをします。
一般的な妊娠検査薬は、生理予定日の1週間後からの使用が推奨されています。
予定日の2日前から使える早期妊娠検査薬というものも存在します。
状況に応じて、どちらかを選択します。
また、妊娠検査薬の結果はあくまでも目安ですので、陰性であっても絶対に妊娠していないとは限りません。
産婦人科で一度ちゃんと検査することが推奨されています。
【3】産婦人科での妊娠検査
次に、産婦人科を受診して妊娠検査を受けます。
万が一、妊娠していて中絶することになる場合、検査を行った産婦人科クリニックでそのまま中絶手術を実施することがスムーズです。
その可能性が少しでもあるのであれば、妊娠検査の段階である程度産婦人科クリニックを調べて、信頼できそうなクリニックに行くことがおすすめです。
妊娠検査薬では、ヒト絨毛性ゴナドトロピンが尿内に一定基準より多く含まれていると陽性反応が出ます。
ヒト絨毛性ゴナドトロピンとは、妊娠すると急激に増加するホルモンです。
一方、産婦人科での妊娠検査では、お腹に超音波を当てて、胎児の心拍や胎嚢(たいのう)を確認して妊娠しているかどうかを判断します。
胎嚢とは、妊娠するとできる赤ちゃんを包む袋のことです。妊娠5週半〜6週ごろにでき始めます。
そのため産婦人科での妊娠検査は、妊娠6週後が望ましいと言われています。
【4】パートナーや親との相談
産婦人科で検査した結果、妊娠しているということが明らかになったら、産むのか・堕ろすのかを決めなければなりません。
パートナーの男性や親と相談し、どちらの選択を取るのかを検討します。
多くの場合、1ヶ月間もたたないうちに決めなければなりません。
男女間の関係性にもよるかとは思いますが、なるべく情報を集めて話し合う時間を多く作れるように、パートナーや親には早めに相談すると良いかと思います。
また、パートナーや家族には冷たい態度を取られてしまうこともあるかもしれません。
そんな時は、1人で悩まずに妊娠の相談サービスを使ったり、信頼できる友人に打ち明けて相談したりしましょう。
【5】中絶することの決断
検討した結果、中絶すると決めた場合、中絶手術を行うことになります。
中絶手術の術式や時期を決めていきます。
希望の術式や時期と合わない場合などは、別の産婦人科クリニックを探して受診し、検査を受けて手術をすることになります。
【6】手術前検査
安全に中絶手術を行うために、血液検査や内診検査を行い、妊娠の週数や状態を正確に把握します。
不安なことやわからないことは、主治医に質問しましょう。
【7】手術日の決定
主治医と相談し、手術日を決定します。
妊娠週数や他の方の予約状況を考慮して決めることになります。
こちらも一概には言えませんが、できればパートナーの男性にも付き添ってもらえる日程にすると良いと思います。
【8】同意書の準備
中絶手術を実施するためには、本人と配偶者の同意が必要です。
これは、母体保護法という法律で義務付けられています。
同意書にサインをして産婦人科に提出しなければ、医師は手術をすることができません。
また、未成年の場合など、クリニック・病院によっては親の同意も求められることがあります。
どうしても親のサインをもらうことができない都合がある場合は、親の同意書がなくても手術してもらえる産婦人科クリニックを探し直すことになります。
【9】手術費用の準備
初期中絶の場合、費用は20万円ほどかかるクリニックが多いです。
費用は産婦人科によっても妊娠週数によっても異なりますので、受診した医療機関でご確認してください。
支払い方法・支払うタイミングも医療機関によります。
学生の場合など、お金が用意できない場合も少なくないかと思います。
親にお金を借りたり、日雇いバイトをしたりして、なんとか手術費用を調達しましょう。
【10】中絶手術の事前処置
手術の前日に、子宮の入り口を広げるための事前処置を行います。
産婦人科によっては、当日に行ったり、事前処置をしない場合もあります。
痛みなどはあまりないことが多いですが、心配ごとがあれば主治医に必ず確認しましょう。
【11】絶飲・絶食
中絶手術では麻酔をするため、手術直前の数時間は食べたり飲んだりしてはいけません。
手術前の注意事項は主治医に確認して、主治医の指示に従うようにします。
【12】麻酔・手術
手術当日をむかえたら、産婦人科で手術を実施します。
初期中絶の場合、15分ほどで終わり、数時間後には帰宅できることが多いです。
主治医への相談はするべきですが、翌日からいつも通り出勤して仕事をする人も少なくありません。
【13】手術後の検査
手術から1週間ほど経過したら手術後の経過を見るための検査をします。
ホルモンバランスを整えるために、ピルが処方される場合もあります。
検査の結果問題がなければ、中絶のための通院はこれで終わります。
【14】パートナーなどとの話し合い
中絶後は、どんな人でも罪悪感を感じてしまうことがあります。
そんな時に、1人で抱え込んでしまうと、自分の中で色々と悩みが膨らんでしまい塞ぎ込んでしまいがちです。
パートナーがいる場合、中絶した体験とどのように向き合っていくかを話し合うことをおすすめします。
また、中絶後のケアを専門にしたカウンセリングなどもあるため、カウンセリングを受けてみることも選択肢の1つとして考えてみましょう。
【15】水子供養
『水子』とは、産まれてこれなかった赤ちゃんのことを言います。
流産や中絶により赤ちゃんが亡くなった時に、日本ではお寺で水子供養をする人がある程度いると聞きます。
区切りがつき、定期的に過去と向き合うきっかけにもなるため、子どものためだけでなく、自分自身の心のケアのためにも有効かと思います。
水子供養をする場合、水子供養ができるお寺を調べて連絡をとり、お願いすることになります。
少しだけ費用はかかります。(お寺によって費用は異なります)
【16】日常生活に戻る
中絶後は、すぐに日常へと戻ります。
妊娠していたという事情を周囲の人は知らないため、中絶手術を終えるとそれまで通りの生活がすぐに始まります。
人にもよりますが、手術前は重い生理のような状態だったのが、手術を終えると軽くなり、翌日からすぐ仕事をする人もいます。
中絶してしまったことを心の中で忘れずに、子どもの分まで一生懸命に生きようと思えると、少しは楽になるかもしれません。
中絶後の流れを理解した上で決断しましょう
妊娠が発覚すると、冷静に調べものをしたり、考えたりすることが難しくなります。
しかし、正しい情報を理解しないまま中絶すると決めてしまうと、後悔することになるかと思います。
産むのか・堕ろすのかを決める前に、中絶する場合の流れを理解する一助になれば幸いです。
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