男子大学生の中絶体験記
【知っておきたい妊娠と中絶のこと】
筆者(ユウスケ氏)が大学生の時に、彼女の妊娠中絶手術を共に経験した時の記録を、男性側の目線で書き記した体験談です。
少しでも、妊娠された方や中絶をお考えの方にとって、後悔のない選択ができる手助けになれれば幸いです。
拭い去れない中絶の記憶
僕は大学生の時に、当時付き合っていた彼女が妊娠していたことがわかり、中絶するという選択をしました。
たくさん後悔しましたし、立ち直ることができているかと言われると胸を張って立ち直れたと言えるほどではありません。ですが、なんとか日常に戻り、産むことのできなかった子どもの分まで精一杯生きようと思って生きています。
しかし、日常のふとした瞬間に中絶した記憶を思い出してしまうことがあります。
それは良い意味でも、悪い意味でも、複雑な感情がこみ上げてきて、過去と向き合い直すきっかけになっています。
今回は、そんな日常の瞬間を5つ紹介します。
【1】楽しそうに遊ぶ子どもを見かけたとき
一番多いのが、街で子どもを見かけたときです。
保育士さんと一緒に歩いている保育園の子どもたちや、騒がしい近所の小学生たちを見たときに、自分たちも子どもを産むことができていたらこんな風に育っていたんだろうなと思ってしまいます。
育児は大変なことがたくさんあるはずです。
でも、子どもたちの笑顔を見ると、子どものためなら頑張れたのかもしれないなと後悔の念がこみ上げてきます。
【2】妊婦さんを見かけたとき
次に、妊婦さんを見かけたときに、中絶した自分の愚かさを痛感します。
色々と言い訳はできます。
妊娠している女性は本当に大変ですし、産まれてからはもっと大変です。
でも、パートナーと幸せそうに歩いている様子や、電車で衝撃を受けないように丁寧に歩いている様子などをみていると、自分は本当に愚かだったなと感じます。
【3】子育て関係の広告やチラシを見かけたとき
皮肉なことに、自分のもとには子育て関係の雑誌やサービスの広告がよくきます。
妊娠が発覚し、中絶するか堕ろすかを考えていたときに、育児について必死に情報収集をしていて、その一環として大量にメルマガに登録したり育児系のサービスに会員登録したりしていたからです。
産むための努力をしていた自分は、ほんの少しだけど希望を持っていたなと思い出します。
中絶から1年後には1才の赤ちゃんを育てる両親向けの広告がきて
2年後には2才の赤ちゃんを育てる両親向けの広告がきて
あぁ、産んでたら今頃こういうことしていたのかと考えてしまいます。
【4】中絶についての夢をみたとき
今ではもう滅多にないのですが、時々中絶についての夢をみます。
怖い夢のこともあるのですが、辻褄が合わず不思議なストーリーのことも多いです。
中絶について夢をみて目覚めると、忙しい毎日に追われて、中絶した過去を忘れかけていたときに、「忘れずに生きていってね」と語りかけられているような感覚になります。
改めて、半強制的に思い出すきっかけになっています。
【5】命日(中絶手術をした日)
最後に中絶の記憶を思い出すきっかけが、命日です。
中絶手術の日からちょうど1年後、2年後、3年後。
それが自分にとっては1つの大きな節目になっています。
なるべく命日(またはその月)に時間をとって、水子供養したお寺にお参りし、心を静かに落ち着かせて子どもと向き合うようにしています。
中絶の記憶は消えないけれど、それでいい
中絶を決断するときに怖かったこととして、中絶した後に色々と思い出したり、罪悪感に苛まれたりするんじゃないかということがありました。
実際に、Yahoo知恵袋や体験談が掲載された掲示板でも、子どもを見るたびに記憶が蘇ってしまい辛いといったコメントをよく見かけます。
確かに、それは事実です。
中絶したという記憶は消えません。
子どもや妊婦さんを見ると思い出します。
ですが、僕はそれでいいと思っています。
中絶の記憶は消えないけれど、過去を忘れずに向き合って生きていくことの大切さを教えられている気がします。
最初は、中絶の記憶を思い出すたびに深く心がめり込むような苦しい気持ちを味わっていましたが、最近は逆にもっと仕事を頑張ろうというエネルギーに変えることが出来ている気がしています。
中絶の記憶は一生背負っていく十字架だけど、それで良いんじゃないでしょうか。
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