親の幸せが子供の幸せ
毒親は自分の気持ちしか認識することができないので、子供に気持ちがあるとは考えません。
まさか子供が自分と違うことを考えたり、感じたりしているとは思わず、気付きもしません。
子供を一人の人間だと考えることができないのです。
【親の幸せイコール子供の幸せ】だと、本気で信じて疑わず、親の考えを子供にも強制します。
子供が意思を持つことは、コントロールする親にとって、都合が悪いことなので認めません。
子供の意思は『(私が思っていることと違うから)そんなのは駄目だ』と一蹴します。
毒親も子供に幸せで居てほしいと願うことは真実です。
しかし毒親は幸せの在り方を厳格に定め、そこから外れることを許しません。
例えば進学や就職、日常の過ごし方など、親がこうするべきだと決めたものに、子供は付き合わないといけないのです。
そこから外れると不幸になると毒親は思い、子どもの考えることを否定します。
毒親なりに子供のためを思っているのですが、思いはいつも一方通行なのです。
自立の芽は摘み取る親
私は高校生の時にオシャレに目覚め、将来は美容師になることを夢見ました。
勉強をして大学に行くことには、興味がありませんでした。
しかし、そのことを母に告げたところ、
と、呆れた様子で職業蔑視まで含んだ発言をしてきました。
結構真剣に考えていたのですが、これだけで私は撃退されてしまいました。
諭すにしろもっと言い方があると思います。
ろくに話もせず頭ごなしに否定するのもどうかと思います。
私は納得いきませんでした。
親の指図で動く操り人形のようにされた気持ちになり、怒りの気持ちを感じました。
だから否定されて「やっぱりか」という気持ちもあった。ある意味俺は最初から夢を諦めていたんだ
親の価値観
私は幼稚園の頃から東大、京大に入るよう言われてきました。
小学2年生の文集の将来の夢に『いがくぶ(医学部)になりたい』と書いていました。
『入りたい』でなく、『なりたい』、です。
親から言われて、意味もわからずに書いたのが丸わかりです。
後日文集のこの部分は授業参観の日に、先生に読み上げられました。
そのとき母がとても恥ずかしそうにしていたのを覚えています。
そして小学生から塾に通わせ、私立中学に入学。
親の計画としては大学を卒業した後は、医者や弁護士になることを考えていたでしょう。
その流れの中で、美容師になるなどとは、言語道断と思ったのでしょう。
今から考えても自立のハードルは高い
私がどのくらいのことをすれば美容師への道を歩めたか、当時の私になって考えてみます。
まず高校は自主退学でしょう。
そして親に夢を応援してもらうのは、無理としか思えないので、縁を切るつもりで100万円ほど借りるか貰うかして一人暮らしをして、働きながら美容学校に入る。
これくらいのことは、必要だったと思います。
しかし、世間知らずの箱入り息子だった私には、そんな行動力も生活力もありませんでした。
生い立ちや環境は勿論ですが、私自身の精神力の面でも、自立は難しい状況だったと思います。
この出来事などによって夢は冷めていき、しかし将来したいことが見つかるわけもなく、
いや、もはや探す意思もなく時は流れていきました。
全てが過去のことになったとき、さり気なく蒸し返す親
大学に入り、ただ何となく時は流れていき、就職活動はうまくいきませんでした。
中小零細にすら採用されませんでした。
それもそのはず、当時の私は無気力の塊で、もはや何のために生きているのかも、わからない状態でした。
面接を受けに行った先の会社で、心配されたのか人生を、アドバイスされたこともあります。
そのことを母に打ち明けたところ、何と、
と、言ってきたのです。
過去に人の考えを踏み潰しておいて、今さら何を言うのか、という感じですよね。
そのときの私は、高校当時の輝いていた時の私とは違いました。
母はそのことをわかっていて、もう美容師にはなれるはずがないことを知った上で、言ったのでしょう。
本当に性格の悪い人だと思います。
母は適当に肯定的なことを言っていますが、それはもはやアドバイスにも気遣いにもなっていません。
結局、子供の人生が空振りしようが何だろうが、構わないのだと思います。
親が定めた道を進むかどうかだけが大事で、その他はどうでもいいということがよくわかります。
この件、おそらく親の嫉妬も含まれていると思うんですよね。
子供が親が許せる範囲の幸せさで居てもらわないと困る、と。
妬む気持ちがあれば他人の幸せは祝福できず、足を引っ張る方向に動く、それは子供に対しても例外ではないというわけです。
それから親が抱える不安の問題。
心配性で常に不安な親は、子供が真面目で勉強に励んでいないと、気が気でないのでしょう。
ある程度親の言うとおりにしていないと、コミュニケーションにならない程、一方的に文句を言われました。
どこの家庭も大なり小なり同じ構図はあるでしょうが、私の家はその度合いが大きかったと思います。
でも親は不安だから仕方ないのだ、ではなく、親になるのなら自分の不安な気持ちも、ある程度コントロールして、子供に悪影響が出ないようにするべきでしょう。
子は親を選べないですが、だからと言ってどんな親でも受け入れなければならないというのは酷な話です。
その後も頓珍漢なアドバイスをたくさん受け、しばらく私の人生は迷走するのでした。
教育の世界に身を置く【メンタル系教育研究者】
幼少期は明朗快活で好奇心旺盛な男の子だったが、中学受験で勉強し過ぎて、健全な人格形成の機会を逃した、典型的な燃え尽き症候群。
毒親育ちにありがちな『遊びたい』が口癖で、際限なく自由さを求める特徴がある。
現在も家族問題に起因する様々な恐怖症の影響が残っており、日々思考を重ねて改善を試みながら生きている。
家族のことや心の問題など、生きている中で悩んでいる問題に立ち向かうパワーを与えることが記事執筆の目的。
書く内容は一般論をベースとはしません。筆者である私の考えをもとに理論立てていきますので、読者さんには筆者がどういう人間であるかを推察しながら、そこに存在する普遍的な真理を掴みとっていただければと思います。
また教育関連の記事については、自身の経験から、偏差値だけで考えたり、詰め込み式で勉強をすると受験に失敗するという見方を示すことが多いです。
勉強については一番近道は、我流を捨てて素直に学ぶことです。