毒親育ちと、毒親本人も登場!
11月20日に、日本テレビの【ザ!世界仰天ニュース】で毒親を取り扱った話が放映されました。
毒親対策に協力的な妻が録画しておいてくれたので遅まきながら視聴しました。
毒親育ちとして出演していた宮澤さんは、ツイッターで私がフォローしている方でした。
放映時はお母さんと仲良さそうだったので、現在は毒親問題を卒業しているのでしょうか?
私達のような毒親育ちからすれば毒親との問題は永遠に解決ができないほど難しい問題だと考えがちですが、私は必ずしも毒親との関係が改善できないとは限らないと考えます。
ですが、毒親自身が自分自身を振り返る必要があるでしょう。
わかりやすくおかしな行動に出るタイプの毒親は、周りから見てもおかしいために、自分自身のおかしさを自覚しやすいのかも知れませんね。
私の親などは、巧妙に精神的搾取を行うために、周りにもばれずにすませることができ、私自身も何が起こっているのか全くわかりませんでした。
ですので私などは母に何か物申しても、全て妄言で片付けられかねない状況です。
「よくある光景」で済ませてはいけない
放映された内容は宮澤さんの母とのやりとりの再現でしたが、同じ毒親育ちとしてうなずけるのは『子供の事情にお構いなし』なところですね。
親は自分のことで精一杯なので子供の心の苦しみには気が付かないし、もし子供から母に訴えたとしても、反抗的だとしか受け取ってもらえません。
そもそもその「訴える」ということに踏み切れないのが毒親育ちなわけですが・・・
親子のやり取りを言葉だけ見てみると、どこの家庭でも交わされているような内容かも知れませんが、子供の心が置き去りにされていることが大きいです。
どれだけ親の考えを忖度して、常に顔色を伺って、自分の気持ちを押し殺しているかが誰にも理解されないこと。
親からはそんなことなど微塵も気にかけられないまま不安が蓄積して、ついには爆発して鬱になってしまったのでしょう。
毒親は、一見子育てを頑張っている立派な親に見えるようですが、それは現実のほんの一側面であることをわかっていなくてはなりません。
実態は自分の理想通りに事が運ばないと気が済まない親が、子供の人生は自分のものといわんばかりに振舞っているだけなのですが、世間は未だにそのあたりを軽んじているように思います。
こんな言葉で毒親の行動が美化されがちですが、これらは子供の気持ちを無視していると思います。
子供からすると、
です。
そもそも『子供のために』という言葉が、既に独りよがりで自分勝手なように感じます。
ですから、『こんな親、よく居るよ』で済ませてはいけないと思います。
子供にとっては生きるか死ぬか、の一大事なのです。
家族の中で犠牲になる者と逃れられる者がいる
お姉さんは母にズバズバ言って火に油を注ぐタイプだということで、お姉さんは毒親の支配から上手く逃れられているようでした。
実際、毒親は家族の中からターゲットを選んでいるのではないかと思います。
家庭内での役割分担と言ってしまえばそれまでですが。
私の家では私が長男だということで将来に向けての勉強や、親から色々言われるなどの重責は全て私が背負ってきました。
その陰に隠れて安全に生きてきたのが私の妹です。
私は地雷原を先頭切って走っていく、特攻役のようなものでした。
そんな私は、刺激によってしか生きている実感を得られない人間になってしまいました。
ターゲットにされた者、もしくは家庭の構造の犠牲になる者は大変です。
家庭内で生きていく限り、心の平安が得られない仕組みになっているのですから。
そして、そんな家庭に自分は居なくてはならないという気持ちになってくるので、更に厄介です。
番組中にも描写がありましたが、母に苦しめられているはずなのに、何故か母がかわいそうだと思う瞬間があるのです。
自分が居てあげなくてはならないと思う気持ちで、ますます家庭に縛りつけられるのです。
娘(女)の場合と息子(男)の場合では事情が異なる?
宮澤さんの場合は母と娘ですし、よく聞く毒親の話は大体子供側が女性のパターンです。
この女性同士の場合は、同性同士なので、親が子に自分が思っていることを言いやすいということは、あるのではないでしょうか。
同性同士だから、家事をしていることなど、自分の苦労をもっとわかって欲しいという思いがあるのかも知れません。
母親は娘側から見てリアルに事情がわかってしまう相手だからこそ、心の中を相手に占められてしまって、逃れられなくなるとも考えられます。
対して、母親と息子の場合は具体的な事柄での繋がりはあまりありません。
母親はとにかく息子が勉強をするなどして立派でいてくれれば満足なので、細かいところを見ようとはしません。
ですから息子は心の隅々まで拘束されることはありません。
ですが、過保護・過干渉によって心の一番重要な部分をずっと母親に握られたような状態になってしまいます。
若干違いはありますが、娘の場合も息子の場合も自分自身を奪われた状態になるのは同じではないでしょうか。
そこには一方的な親側からの恩着せがましい行動があり、じわじわと子供の心を侵食しているのです。
毒親から物理的に離れる手段は有効
宮澤さんは田房永子さんの『母がしんどい』を読んで一人暮らししたい旨を、お母さんに打ち明けることができたそうです。
そうして自立することで、母親との関係を改善できたとのこと。
物理的に毒親と離れることで、お互いに変化が起きたのかも知れませんね。
ただ、実家とすぐの距離の場所に住むのはなぜだろう?と思いましたが。
『家』という場所では人が住んだ歴史の分だけ人間同士の関係が強化され、一度作られた関係は、そう簡単にやり直せないものだと思います。
そこで引っ越して、一から関係をやり直すことは、非常に有効だと思います。
ご本人の感想ブログを読みました
ここまで書いたところで、宮澤さんのブログを見に行くと、番組に対する感想が書かれていました。
いや、そうですよね。
番組の中で表現できることって、やはり限度があると思います。
何より、自分自身が当時どう感じて結果どうなったのかが一番大事なのに、そこに照準を当てることができないから。
お母さんも出演している時点で、番組的に『いい話』にするにはどうすればいいか、という視点が入って偏っちゃいますよね。
個人的には毒を感じさせない立ち回りをするのも、毒親の特技だと思っているので、編集されなかったとしても、巧妙に毒は隠されるのではないかと思います。
最後のシーンを見ていると正直、結局お母さんのことが好きな、ライトな毒親持ちに見えなくもなかったので、ご本人の説明が読めてよかった。
テレビの力って、色んな意味ですごいですね。
教育の世界に身を置く【メンタル系教育研究者】
幼少期は明朗快活で好奇心旺盛な男の子だったが、中学受験で勉強し過ぎて、健全な人格形成の機会を逃した、典型的な燃え尽き症候群。
毒親育ちにありがちな『遊びたい』が口癖で、際限なく自由さを求める特徴がある。
現在も家族問題に起因する様々な恐怖症の影響が残っており、日々思考を重ねて改善を試みながら生きている。
家族のことや心の問題など、生きている中で悩んでいる問題に立ち向かうパワーを与えることが記事執筆の目的。
書く内容は一般論をベースとはしません。筆者である私の考えをもとに理論立てていきますので、読者さんには筆者がどういう人間であるかを推察しながら、そこに存在する普遍的な真理を掴みとっていただければと思います。
また教育関連の記事については、自身の経験から、偏差値だけで考えたり、詰め込み式で勉強をすると受験に失敗するという見方を示すことが多いです。
勉強については一番近道は、我流を捨てて素直に学ぶことです。