【とんでもない葬儀の話】
目を背けたくなるほど、辛く悲しい現実・・・皆さんはそんなこの世の地獄を見たことはありますか?
これは6年ほど前に担当した葬儀での話。
主人公は30代後半の女性とその子供達。
その女性は10代前半で家庭が崩壊。父親はアル中、母親は育児放棄。最後は親に捨てられ、小さな施設に預けられます。
その後幸せな家庭を求めて、とある男性と結婚。3人の子宝にも恵まれます。
ところが優しかった旦那は大手メーカーをクビになった頃から、酒を飲んで暴れるように。
家計を助けるための仕事と家事に忙殺される日々。
夫婦の間は冷え切り、子供たちとの仲も悪化。
やがて彼女は家庭内でも完全に孤立していきます。
徐々に彼女の精神が病まれていくのにそれ程時間はかかりませんでした。
そんな中、わが子のように可愛がってくれた施設の園長夫妻が相次いで急死し、激しさを増す旦那のDVや浮気を相談できる相手がいなくなります。
仲の良かった友達ともすれ違い始め、遂に彼女は・・・
自宅で首を吊ります。
第一発見者は部活の合宿から帰宅した次女。
浮気相手の女性宅に転がり込んでいて連絡が取れなかった旦那が帰って来たのは、警察が遺体を回収したおよそ2日後。
警察の検視が終わり、遺体を葬儀屋の遺体安置所ではなく、自宅に連れ戻し、首を吊った部屋に安置するするよう指示する父親。
その無神経さに激怒する子供達。
結局一晩自宅で安置した後、半狂乱になった長女の意向で、改めて安置所に搬送する羽目に。。。
せめてもの罪滅ぼしにと自殺にしては珍しく、葬儀はきちんと執り行ないましたが、斎場を取り巻くあの異様な雰囲気は忘れられるものではありません。
多感な年頃に母親を自殺で失った子供達。
酒を飲んで父親に殴られる母親を見て、見ぬふりをしてきたと自分たちを責める子供たち。
たび重なるDVと浮気の挙句、母親を殺したも同然の父親と共に生きていかなければならない子供たち。
借金までして浮気相手に入れ上げた結果、引っ越す金銭的余裕もなく、今にも崩れそうな狭小の平屋の中、母親の首を吊った部屋で寝起きする子供達。
これをこの世の地獄絵図と呼ばずに何と呼びますか?
「おかあさんがよろこぶことけん」(お母さんが喜ぶこと券)
長女が最後に棺に納めた桜の押し花の付いたカード。
お世辞にも上手とは言えないそのカードは、幼稚園の頃に娘が母親に送ったもの。
母親はそれをずっと使うことができなくて、何年も大切に保管していたのでしょう。
「一回も使ってくれなかったけど、いつでも使っていいからね。」
号泣しながら、大事そうに棺にカードを納める次女の姿に、久しぶりに溢れそうになる涙を抑えるのがやっとの思いでした。
如何に仕事とは言え、二度と体験したくない悲しい悲しい、とある葬儀の話。。。
※何年も前の話ですが念のためネタバレ防止のため、若干内容をボカしていますが、本当はもっと酷いです。
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