毒になる姑/スーザン・フォワード
「毒になる親」の著者であるスーザンフォワードによる本です。
英語を翻訳しているから若干読み進めにくいのはこの手の本にありがちなことですが、それを我慢して読む価値があります。
この本に出てくる義父母は一般に言う「毒親」です。
毒親とその子供でこれまで暮らしてきたものが、子供の結婚を機に義理の両親との問題が発生することが主なテーマとなっています。
親が不適切な思考で子供を影響下に置いているのを子供の結婚後にも続けるとどうなるか、そして新たに家庭にやってきた配偶者はどのような問題に直面し、どのように解決していくかをたくさんのケースを例に説明しています。
毒親に問題があるのはもちろんですが、その子供は見事に親の支配下に置かれていて、親がおかしいということを認識できないのです。
だから、その子供たちは配偶者になる人よりも、自分の親の方を優先させてしまいます。
毒親の子というのは、新たな家庭を作ることよりも、これまで通りの毒親との関係を維持することの方が大事なのですね。
これは、配偶者になる人から見たら失望に値することです。
新たな家庭を築くための最大の味方、というか、パートナーが自分に背を向けているのですから。
[st-kaiwa1]僕も結婚前後は母親の肩を持つことばかりしてしまって、当時は何にもわからなかったけれども、今では反省している。[/st-kaiwa1]
そして、義父母は新たに家庭に入る人に対して歓迎の意を示しません。
まるで新たに支配―被支配の関係を作る準備をするかのように行動するのです。
義父母と仲良くしたいと思っている嫁、婿には彼らがなぜそういうことをするのかわかりません。
そしてそれを訴えようにもまず自分の配偶者がそのことに理解を示してくれないのです。
新たに家庭にやってきた人は、完全に孤立した状況になってしまうのですね。
とにかく書いてあることが的確
このような結婚生活での波乱に満ちた状況に立ち向かい、陥りがちなワナにはまらずに上手く立ち回るにはどうするとよいかということが細かく書かれています。
たくさんの事例から導き出された対応策は確かなものに感じられます。
また、読んでいて「うちもこういう感じだった!」と思えるようなリアリティあふれる状況が所々にありました。
私はずっと親のことを振り返ってきたから、この本に書かれていることは凄く正確に不健全な家族の状況を表していて、的確に注意点などを書いていることがわかります。
ですが、毒親問題にぶち当たった初期にこの本を手にしていたら内容を理解できていたか怪しいと思います。
それは、書いてあることを解釈するための価値観を有していないからです。
親の価値観という歪んだメガネで世界を見ている、毒親育ちの人はもう少し取っつきやすい本から入った方がよいかもしれませんね。
自分の夫、妻が毒親育ちで困っている、という人には向いていると思います。
書いてある内容がスラスラと理解できることの条件は、「健全な感性を持っている」ことが必要なところがありますので、客観的に毒親を見ることができる人にとっては問題なく読み進められる本だと思います。
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