戒名授与の疑問
何かとお金のかかる葬儀。
だからこそそこには様々なトラブルが潜んでいます。 以前ブログに『終活読本ソナエ』の記事に対する意見を求められたので、ぶっちゃけたことろを書いてみたいと思います。
Q.自分で戒名を付けたいが、そんなことは可能なのか?
◆「自分で戒名をつけたい…」×「師につけてもらうのが戒名」
【本人の言い分】自分で戒名をつけようと思います。ゴルフが好きなので「芝球王者居士」。
寺の住職からは『何をふざけたことを言っているのか。駄目だ』という話でした。
柔軟性がないように思います。あの世で私がゴルフ三昧の生活を送るのを邪魔しないでください。
真面目に考えていたものを頭ごなしに否定されたので、こちらも気分が悪いです。(大阪市の男性)
【寺の言い分】最後まで自分らしさを大切にしようとする終活ブームの存在もあってか、自分で戒名をつけたいと希望する人は増えているようです。
しかし、俗名もそうですが、自分で自分の名前をつけることはできません。
戒名は、死後に仏の弟子として歩んでいくときの名前で、【授戒】という儀式をすることによって与えられます。
この儀式ができるのが僧侶なのです。
また、戒名には使って良い文字と使ってはいけない文字があります。
柔軟性がないと言われようが、僧侶として譲ってはいけない一線なのですから仕方ありません。
一方で、自分や故人らしい戒名にするため、僧侶に希望を伝えることは可能です。
寺との関係を密にすることが一番大切です。(東京都新宿区の僧侶)
A.戒名は自分では付けられません
『子供が自分の名前を自分で付けられない様に、名付けは親の仕事です』
まさにその通り!諦めましょう。
ちなみに上記のイラストで言えば、【超天才】の部分は正確には【道号】と言って、この世での故人の生き様を表します。(戒名は【聡明】の二文字)
上記のトラブル例では【芝球】が道号、【王者】が戒名です。
形的には名字と名前の様な形であり、四文字熟語ではありません。
また道号はたいていこの世での故人を褒め称えて付けますが、自分で自分の人生を褒め称えるのって、恥ずかしくないですか?
選べる戒名
しかし、寺のコメントにもある通り、希望を伝えることは出来ます。
最近は生前に戒名を付けてしまう人も多くなっていますので、一度寺に出向いて、自らの人となりや、戒名の希望などをじっくり話しておくと良いでしょう。
その上で希望するなら生前に戒名を付けてもらえば良いのです。
さらに最近では喪家の多様化するニーズに応えるべく、戒名の候補を数パターン用意してくれるお寺も多くなりました。
まぁ、戒名の意味からすると、限りなくグレー(と言うか完全アウト)ですが、特に宗教に一切の思い入れもなければ、お寺さんに相談してみるのも良いかも知れませんね。