列車/電車事故の犠牲者数ランキング
陸地における大量輸送を可能にした鉄道。それ故に一度事故を起こせば、大勢の犠牲者を生むことになる。
脱線・衝突・炎上・・・鉄道史に残る悲惨な鉄道事故とは、どんなものだったのだろうか?
★ハーモント鉄道事故★
発生日時 | 1918年11月18日 |
事故現場 | ベルギー・ハーモント |
主な原因 | 焚火 |
犠牲者 | 1,007~1,750人以上 |
★事故概要
ベルギーとオランダの国境の駅ハーモントで、突如爆弾が爆発。多くの負傷兵を含む帝政ドイツの復員兵を乗せ、駅に停車中だった数台の列車が爆発に巻き込まれた。
原因は子供のたき火(又は花火)が爆弾に引火したとみられているが、第一次大戦終了後の混乱期であり、詳しいことは分かっていない。
★2004年スリランカ津波災害★
発生日時 | 2004年7月12日 |
事故現場 | スリランカ・ゴール県 |
主な原因 | 津波 |
犠牲者 | 1,700人以上 |
★事故概要
コロンボ~ゴール間を運行する定期列車が、スマトラ島沖地震の津波により脱線転覆した事故。クリスマス休暇と仏教祝日が重なり車内は1,000人~1,500人の乗客と、その他大勢の無賃乗車の人間でごった返していた。
津波により近くの住民も列車内や屋上に避難しており、単独の列車事故としては最大といわれる1,700人以上の人間が犠牲となった。
津波の第1波からの被害は免れた為、多くの乗客や住民が安全だと誤認したが、続く第2波にのまれた。
鉄道事故というよりは津波による被害というのが正解だか、鉄道事故として扱うサイトも多い為、ここに記述させていただいた。
★ガイサル鉄道事故★
発生日時 | 1999年8月2日 |
事故現場 | インド・アッサム州 |
主な原因 | 誘導ミス |
犠牲者 | 285~1,000人以上 |
★事故概要
インドのアッサム州にあるガイサル駅で、停車中の列車に高速で他の列車が衝突し、爆発炎上した事故。
この駅では線路の拡張工事が行われており、4本ある線路のうち3本が使用不可だった。駅の助役が列車の誘導を間違った為に起きた事故だが、工事に伴い各種安全装置類が運転を中止していた為、誰もこの間違いに気が付かなかった。
衝突による衝撃と、その後の火災により、多くの乗客の命が奪われた。また、救助作業が難航したことにより、本来ならば助けられた乗客も多くが死亡した。
公式の死者は285人だが、定員をはるかに超える乗車率に加え、無賃乗車の人間も大勢乗っていたとされ、実際の死者は1,000人以上とされるが、激しい衝突と火災により、判別不可能な遺体が多く、詳細は不明。
後日ガイサル駅の駅長は自殺した
★チュレア鉄道事故★
発生日時 | 1917年1月13日 |
事故現場 | ルーマニア・ヤシ県 |
主な原因 | 設定ミス |
犠牲者 | 600~1,000人 |
★事故概要
負傷したロシア兵と難民を乗せた機関車2両・客車26両からなる列車が、脱線・炎上した事故。
ロシア兵士が列車の空気ブレーキのブレーキコックを運転手に無断で閉め、また客車に取り付けられた車両ブレーキは、その配管などを定員を大幅に超えた乗客が踏んでおり、うまく稼働しない状態だった。
チュレア駅に向かう急こう配は、機関車に取り付けられた単独ブレーキだけでは制御しきれず、駅に停車中の列車を避ける為に、高速で待避腺に突入。機関車2両と客車24両が脱線した。
列車は激しく炎上し、多くの乗客が焼け死んだ。
★2002年エルアヤット鉄道事故★
発生日時 | 2002年2月20日 |
事故現場 | エジプト・ギーザ県 |
主な原因 | ガス爆発 |
犠牲者 | 383~1,000人 |
★事故概要
カイロ発ルクソール行の国鉄列車において、調理用のガスボンベが爆発。高速で走る列車は瞬く間に火に包まれた。列車内の通信手段が貧弱で、火災発生後2時間もの間、運転手は気が付かずに走り続けた。
激しい火災の為、7台の客車が全焼し、遺体は判別不可能な程丸焦げとなった。
第三国にありがちな正確な乗客数の把握が困難な状況を利用して、エジプト政府は被害を過少に発表した。勿論これには国民の批判をかわす狙いがあったが、過密状態の客車が7台も燃えており、実際の死者は1,000人に上るとするのが、一般的な見方だ。
★ビハール州列車転落事故★
発生日時 | 1981年6月6日 |
事故現場 | インド・ビハール州 |
主な原因 | 不明 |
犠牲者 | 500~800人以上 |
★事故概要
800人以上を乗せた9両編成の旅客列車がバグマティ川にかかる橋梁で脱線。7両が川に転落した。200人以上の遺体が引き揚げられたが、多くの遺体は川に流され、発見されなかった。
インドでは無賃乗車も珍しくなく、詳細は不明だが、少なくとも500人、最悪800人以上の死者が出たと言われている。
★サン=ミシェル=ド=モーリエンヌ鉄道事故★
発生日時 | 1917年12月12日 |
事故現場 | フランス・サヴォワ県 |
主な原因 | ブレーキ故障 |
犠牲者 | 427~800人 |
★事故概要
第一次世界大戦中、イタリアに援軍として参加していたフランス陸軍部隊の一部が、年末休暇に合わせて列車で帰還する途中に起こった鉄道事故。
サン=ミシェル=ド=モーリエンヌ手前の急こう配で、ブレーキが利かずに加速。推定150キロで暴走し、駅から1,300m付近で炭水車と客車の連結器が外れた。
機関車と炭水車は走り続けたが、客車は次々に脱線し、切り通しに激突し大破・炎上した。
機関車と炭水車は無事駅に到達したが、この時機関士は初めて後続車が脱線したことに気が付いた。
ブレーキが利かなかった理由は不明。
第一次世界大戦中の軍事列車の事故であり、情報は殆ど公開されていない為、詳細は分かっていない。
死者もメディア・各機関によってばらばらで、427人、435人、543人、675人などが主なメディアや機関の数字だ。
中には800人とするメディアもある。
★ウファ鉄道事故★
発生日時 | 1989年6月4日 |
事故現場 | ロシア・ウファ |
主な原因 | ガス爆発 |
犠牲者 | 575人~645人 |
★事故概要
ウファから50キロの地点で、プロパンやブタンなどの液化天然ガスがパイプラインより漏れ出ていた。運悪く付近を走行していた2本の列車から出た火の子が、ガスに引火し、大爆発を起こした。
この爆発により、2本の列車に乗車していた多くの子供を含む575人(公式発表)が死亡した。一説には645人とも言われる。
爆発の規模はTNT換算で250トン~1,000トンとされる。
★グアダラハラ鉄道事故★
発生日時 | 1915年1月22日 |
事故現場 | メキシコ・グアダラハラ |
主な原因 | 制御不能 |
犠牲者 | 600人以上 |
★事故概要
メキシコ革命を成功させた革命軍のリーダー・カランサは新しい本拠地をメキシコ西部のグアダラハラとし、軍隊の家族を太平洋沿いの都市コリマから、グアダラハラに輸送するよう命じた。
20両編成の特別列車が用意されたが、途中にある長い下り坂で列車は制御不可に陥る。多くの乗客を振り落としながら、高速でカーブを通過し、最後は脱線し、峡谷に転落した。
これだけの大惨事でありながら、300人以上が生還したことは奇跡に近い。
★トーレ・デル・ビエルソ鉄道事故★
発生日時 | 1944年1月3日 |
事故現場 | スペイン・レオン県 |
主な原因 | ブレーキ故障 |
犠牲者 | 78~500人以上 |
★事故概要
トーレ・デル・ビエルソ付近のトンネルでブレーキ故障を起こした郵便列車が、他の列車に衝突。結果的に2台の列車を巻き込んだ大惨事となった。
厳しい検閲下にあったスペインにあって、多くの情報は隠ぺいされた為、詳しいことは分かっていない。
近年になり検証が進み、78人とされた死者についても、500人以上との見方が浮上している。
★アワシュ鉄道事故★
発生日時 | 1985年1月14日 |
事故現場 | エチオピア・アワシュ |
主な原因 | スピード超過 |
犠牲者 | 392~428人 |
★事故概要
アワシュ川の橋梁を走行中の列車が脱線し、10m以上下の河原に転落した。原因はスピード超過。
乗車していた1,000人の乗客の半数近くが死亡しており、アフリカ史上最悪の鉄道事故として記憶されることとなった。
★バルヴァーノ鉄道事故★
発生日時 | 1944年3月2日~3日 |
事故現場 | イタリア・バジリカータ州 |
主な原因 | 過積載 |
犠牲者 | 426人 |
★事故概要
蒸気機関車にけん引された貨物列車が、急こう配のトンネルを登り切れず、立ち往生した。これは貨物列車に多くの違法乗車の客が乗っており、著しく重量超過を起こしていたことが大きい。
当時イタリアは戦争に破れ、機関車の燃料となる良質の石炭が手に入りにくい状態だった。その為、質の低い代替え品を使っていた。
この代替え品は大量の一酸化炭素を発生させる。こうしてトンネル内に一酸化炭素が充満し、気付かないうちに、一酸化炭素で多くの人間が死亡した。
★フィロザバード鉄道事故★
発生日時 | 1995年8月20日 |
事故現場 | インド・ウッタル・プラデーシュ州 |
主な原因 | ブレーキ故障 |
犠牲者 | 358~400人以上 |
★事故概要
デリーに向かて走っていた先発列車が牛と衝突。ブレーキが故障して停車していたところに、後発のプリー発デリー行の列車が追突した。
公式の死者は358人だが、無賃乗車など第三国特有の乗客を正確に把握出来ない事情もあり、死者は400人以上と見るメディアや機関もある。
★1981年成昆線列車転落事故★
発生日時 | 1981年7月9日 |
事故現場 | 中国・四川省 |
主な原因 | 土砂崩れ |
犠牲者 | 360人 |
★事故概要
四川省甘洛県で大規模な土砂災崩れが発生。列車の走る橋梁(鉄橋)を破壊した。しかし、通行中の列車がそれに気が付かず、橋梁手前のトンネルに侵入。
トンネル付近の構造物が破壊されているなどの異変に気付き、ブレーキをかけたが止まり切れず、高さ17m下の河川に転落した。
トンネル出口から橋梁までは、14%の下り勾配であったことが災いした。
★1995年バクー地下鉄火災★
発生日時 | 1995年10月28日 |
事故現場 | アゼルバイジャン・バクー |
主な原因 | 火災(テロの可能性あり) |
犠牲者 | 289(救助隊員3名含む)~337人 |
★事故概要
蒸気機関車にけん引された貨物列車が、急こう配のトンネルを登り切れず、立ち往生した。これは貨物列車に多くの違法乗車の客が乗っており、著しく重量超過を起こしていたことが大きい。
当時イタリアは戦争に破れ、機関車の燃料となる良質の石炭が手に入りにくい状態だった。その為、質の低い代替え品を使っていた。
この代替え品は大量の一酸化炭素を発生させる。こうしてトンネル内に一酸化炭素が充満し、気付かないうちに、一酸化炭素で多くの人間が死亡した。
★サッカル鉄道事故★
発生日時 | 1990年1月4日 |
事故現場 | パキスタン・シンド州 |
主な原因 | 操作ミス |
犠牲者 | 307人 |
★事故概要
蒸気機関車にけん引された貨物列車が、急こう配のトンネルを登り切れず、立ち往生した。これは貨物列車に多くの違法乗車の客が乗っており、著しく重量超過を起こしていたことが大きい。
当時イタリアは戦争に破れ、機関車の燃料となる良質の石炭が手に入りにくい状態だった。その為、質の低い代替え品を使っていた。
この代替え品は大量の一酸化炭素を発生させる。こうしてトンネル内に一酸化炭素が充満し、気付かないうちに、一酸化炭素で多くの人間が死亡した。
★ニーシャープール鉄道事故★
発生日時 | 2004年2月18日 |
事故現場 | イラン・ハイヤーム |
主な原因 | 貨物の爆発 |
犠牲者 | 295~300以上 |
★事故概要
ニーシャープールで硫黄・肥料・原油・石炭・原綿を積んだ列車が、側線に停車されていたが、何らかの原因で暴走。20㌔離れた町、ハイヤームで脱線し、町に突っ込んだ。
貨物列車は小規模な火災を引き起こし、消火活動が開始された。また万が一列車に人が取り残されている場合などを考慮し、同時に救助活動も行われた。
積載物はどれも非常に危険性の高い物だったが、驚くべきことに当時のイランでは、こうした物を危険物として認識しているものは、非常に少なかった。
政治家や鉄道の上級職員を含む大勢のやじ馬が、救助活動を見ようと集まったところ、貨物が大爆発を起こした。
TNT換算で180トンと言われる爆発で、295人(政府発表)が死亡、460人が負傷し、町は壊滅状態に陥った。
この事故により近くの3つの町も甚大な被害を被っており、正確な死者は300人以上と言われているが、はっきりしたことは分かっていない。
★1955年グアダラハラ鉄道事故★
発生日時 | 1955年4月3日 |
事故現場 | メキシコ・グアダラハラ |
主な原因 | 不明 |
犠牲者 | 13~300以上 |
★事故概要
グアダラハラで列車が脱線し、峡谷に転落した事故。詳しいことは分かっておらず、死者は13人以上と発表されたが、実際は300人以上が死亡しているものと思われる。
グアダラハラでは1915年にも大規模な鉄道事故が起きている。
★ベンゲラ鉄道事故★
発生日時 | 1994年9月22日 |
事故現場 | アンゴラ |
主な原因 | ブレーキ故障 |
犠牲者 | 300人 |
★事故概要
ブレーキ故障により脱線し、峡谷に転落した。
★イガンドゥ鉄道事故★
発生日時 | 2002年6月24日 |
事故現場 | タンザニア・ドドマ州 |
主な原因 | ブレーキ故障 |
犠牲者 | 281人 |
★事故概要
タンザニアの中部ドドマ州に向かう電車が、丘を上っている最中にブレーキが故障。一旦停車させてブレーキを調整。再び発車しようとしたところ、ブレーキが完全に破損し、急こう配の坂道を逆走、2駅程走り、走行中の貨物列車に衝突した。
救出用の重機や医療スタッフが足りず、被害を拡大させる結果となった。死者は281人に上り、そのうち88人は身元も判明出来なかった。
当時タンザニアは鉄道売却計画が持ち上がっており、それに反対する労働組合の破壊工作との見方もあるが、あくまでも憶測の域を出ない。
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