航空機(飛行機)墜落事故犠牲者数ランキング
民間航空機を狙った航空テロ墜落事件。
卑劣なテロ事件と断定された事件や、その可能性が極めて高い事件を犠牲者の多い順にまとめてみた。
参照として地上での死者も掲載している場合があるが、順位はあくまでも登場者の犠牲者で比較。
尚、下記の条件に当てはまるものは除外してある。
ワースト1位
★インド航空182便爆破事件★
発生日時 | 1985年6月23日 |
航空会社 | エアインディア |
墜落地 | アイルランド沖・北大西洋 |
死者 | 329人全員 |
★事故概要
シーク教徒により、機内に仕掛けられた爆弾が北大西洋上で爆発。機体は空中分解を起こし、広範囲に渡って散乱、水没した。200人近い遺体と機体の殆どは、回収すら出来なかった。
一方、機体が墜落したほぼ同時刻に、成田空港でカナダの航空機からエア・インディア301便に積み替えられた航空貨物が爆発し、2人が死亡、4人が重軽傷を負う事件が起きた。時差の計算を間違い、離陸より早めに爆発してしまった為、甚大な被害は免れたが、万が一正しく計算されていれば、更なる大惨事を招くところであった。
★動機と犯人像
2つの事件は共にインド政府と対立していたシーク教徒による、政府の信用失墜を狙った同時多発テロである。

ワースト2位
★パンアメリカン航空103便爆破事件★
発生日時 | 1988年12月21日 |
航空会社 | パンアメリカン航空 |
墜落地 | スコットランド・ロッカビリー |
死者 | 259人全員(搭乗者) |
死者 | 11人(地上) |
★事故概要
2人のリビア人により、パンアメリカン航空103便に仕掛けた時限爆弾が、スコットランド・ロッカビリー上空で爆発。機体は空中分解し、住宅地に墜落した。
その後民家を巻き込んで大爆発を起こし、270名が死亡した。乗客10名と地上で犠牲になった住民全員は、あまりの衝撃に消滅してしまっており、最後まで発見することは出来なかった。
尚、経由したヒースロー空港で予定時間から30分程離陸が遅れており、この遅れがなければ爆発時に機体は大西洋上空にあったことになる。地上で巻き込まれた人間は、不運としか言い様がない。
この事故による巨額の遺族賠償が、パンアメリカン航空の破綻のきっかけとなったことでも知られる。
★動機と犯人像
容疑者は逮捕されたが、当時のリビアはカダフィ大佐が率いており、リビア政府が犯行に大きく関与したとされる。

ワースト3位
★アメリカ同時多発テロ事件★
発生日時 | 2001年9月11日 |
航空会社 | アメリカン航空11便(世界貿易センター北棟)ユナイテッド航空175便(世界貿易センター南棟)アメリカン航空77便(アメリカ国防総省)ユナイテッド航空93便(ピッツバーグ郊外) |
墜落地 | スコットランド・ロッカビリー |
死者 | 265人全員(犯人含む搭乗者) |
死者 | 2731人(地上) |
★事故概要
言わずと知れた9.11アメリカ同時多発テロ事件。複数機によるテロだが、ここではひとつの大きなテロとして扱っている。
航空機の搭乗者は勿論、地上にいた一般人や救助に向かった消防士など、3,000人を超える死者と、6,000人を超える負傷者を出した。正真正銘航空機が絡んだ事件としては、史上最悪の事件と言える。
★動機と犯人像
首謀者はウサーマ・ビン=ラーディンを頂点とするイスラム原理主義を唱える国際テロ組織、アルカイダ。

ワースト4位
★コガリムアビア航空9268便爆破テロ事件★
発生日時 | 2015年10月31日 |
航空会社 | ガリムアビア航空(ロシア) |
墜落地 | エジプト・シナイ半島 |
死者 | 265人全員(犯人含む搭乗者) |
★事故概要
コガリムアビア9268便(チャーター機)がエジプト東部シャルムエルシェイクを出発し、サンクトペテルブルグへ向けて航行中に、機内に仕掛けられていた爆弾が爆発、シナイ半島の山岳地帯に墜落した。紅海はロシア人に非常に人気のリゾート地で、乗客のほとんどは帰国のロシア人観光客だった。
機体は長さ8キロ、幅4キロに渡って散らばっており、高高度で空中分解したことが分かる。
★動機と犯人像
墜落直後から犯行声明を出した国際テロ組織IS(イスラム国)傘下の「イスラム国 (ISIL) シナイ州」に対し、エジプト当局は当初これを否定していた。
しかし後にテロによる爆破・墜落だと正式に断定された。

ワースト5位
★UTA航空772便爆破事件★
発生日時 | 1989年9月19日 |
航空会社 | UTA航空(フランス) |
墜落地 | サハラ砂漠 |
死者 | 170人全員(搭乗者) |
★事故概要
コンゴ発、チャド経由、パリ行のUTA機が高度1万メートルを航行中、手荷物のスーツケースに仕掛けられた爆弾が爆発し、墜落した事件。
最初に貨物室内で爆弾が爆発し、操縦席付近が分断。胴体部分などの主要部分はサハラ砂漠の広い範囲にわたって散乱した。
★動機と犯人像
テロの首謀者は、チャドへのフランス軍の軍事介入を嫌うリビア政府だったことが判明。2003年にリビア政府はこの事実を認め、遺族賠償に応じている。

ワースト6位
★大韓航空機爆破事件★
発生日時 | 1987年11月29日 |
航空会社 | 大韓航空 |
墜落地 | インド洋・アンダマン海上空 |
死者 | 115人全員(搭乗者) |
★事故概要
イラクからタイなどを経由してソウルへ向かう大韓航空機(ボーイング707)が、北朝鮮の工作員によってインド洋上空で爆破された事件。
緊急信号の類が一切発せられていない為、操縦士は爆発の衝撃で即死したと思われるが、その後機体は空中分解し墜落した。
★動機と犯人像
上記の通り北朝鮮工作員による爆破テロだが、逮捕された実行犯は、日本人の擬装パスポートを使って入国しており、指揮に当たったのは、当時北朝鮮のNO,2であった金正日だと言われている。
韓国の信用を失墜させ、翌年に控えていたソウルオリンピックの妨害が目的だったと言われているが、現在まで北朝鮮は正式に犯行を認めていない。

ワースト7位
★アビアンカ航空203便爆破事件★
発生日時 | 1989年11月27日 |
航空会社 | アビアンカ航空 (コロンビア) |
墜落地 | コロンビア・ボゴタ近郊 |
死者 | 110人全員(搭乗者) |
★事故概要
麻薬組織の対立に巻き込まれた民間機が、爆弾を仕掛けられ、墜落させたとされる航空テロ事件。
★動機と犯人像
麻薬王パブロ・エスコバル率いる麻薬組織が、情報を漏らした人間を抹殺する為に手を下したとされる。首謀者は警察との銃撃戦時に自殺しており、確定的な証拠はつかめなかった。
ワースト8位
★トランスワールド航空841便爆破事件★
発生日時 | 1974年9月8日 |
航空会社 | トランスワールド航空 |
墜落地 | イオニア海・ケファリニア島沖合い |
死者 | 88人全員(搭乗者) |
★事故概要
イスラエル発、ギリシャ、ローマ経由、ニューヨーク行のトランスワールド航空機が、爆破物により墜落した事件。
旅客機後部にある貨物室に仕掛けられた爆弾が爆発し、操縦系統が損傷。制御不可能となって高速で崩壊しながら墜落した。3,000mの海底に沈んだ為、24人の遺体とわずかな機体の残骸を除いて、回収は出来ていない。
ランスワールド航空ではカウンターに預けられた荷物を、ノーチェックで旅客機に持ち込んでおり、2週間前にも爆発物が持ち込まれていたが、起爆装置の不具合で爆発しなかった。その時点で即座に手を打っていれば、事件は未然に防げていたと言われている。
13人の日本人犠牲者を含む88人が亡くなったことで、世界的にも荷物の厳重チェックの流れが加速していく。
★動機と犯人像
ベイルートのパレスチナ解放機構が犯行声明を出しており、同組織の関与が濃厚だが、確定的な証拠は見つかっていない。

ワースト9位
★クバーナ航空455便爆破事件★
発生日時 | 1976年10月6日 |
航空会社 | クバーナ航空(キューバ) |
墜落地 | カリブ海 |
死者 | 73人全員(搭乗者) |
★事故概要
中南米にあるガイアナ共和国からキューバのハバナを目指すクバーナ航空機が、経由地であるジャマイカの空港を離陸後、爆発・墜落した事件。
機体後方にある洗面台に仕掛けられた爆弾が爆発し、火災が発生。すぐさま空港へ引き返そうとしたが、火災による有毒ガスにより操縦士が意識を失い、カリブ海に機首を上げた状態で不時着した。
犠牲者にはフェンシングナショナルチーム所属の24名や、キューバ政府高官なども数名含まれていた。
★動機と犯人像
首謀者は数々のテロ事件や計画に携わっていた反カストロ主義者、ルイス・ポサダ・カリレス。彼はカストロ政権にダメージを与える為、過去にもテロを計画、実行している。
ワースト10位
★英国欧州航空 (BEA) 284便爆破事件★
発生日時 | 1967年10月12日 |
航空会社 | 英国欧州航空 |
墜落地 | ギリシア・ロードス島附近 |
死者 | 66人全員(搭乗者) |
★事故概要
イギリスからギリシャのアテネを経由してキプロスに向かう予定だった、英国の航空機が狙われた航空テロ事件。
管制塔がアテネを離陸した航空機から、緊迫した緊急通信を受信。その後消息不明となる。 キプロスにあるイギリス空軍機の捜査により、ロードス島150㎞の地中海で墜落機が発見された。
ファーストクラスの座席下に仕掛けられた爆弾が爆発。機体外部には大きな損傷は与えなかった為、空中分解は免れた。しかし操縦系統にダメージを負い、操縦不能となり、墜落したとされる。
★動機と犯人像
キプロス陸軍司令官を狙った犯行との見方が有力だが、本人は寸前で搭乗を見合わせており、九死に一生を得ている。
他にも保険金詐欺を狙ったの可能性なども考えられるが、犯人は特定されておらず、真相は闇の中だ。
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