アダルトチルドレンとは
みなさんはアダルトチルドレンについてご存知ですか?
一見、大人っぽい子どものことや、子供っぽい大人のことだと思った方もいるかと思います。
しかし、アダルトチルドレンとは、それらとは全く違う特徴を持つ人々のことで、子供のころに、家庭内で何らかのトラウマを抱えて大人になった大人のことを指します。
それではアダルトチルドレンとは、どのような特徴を持つ人のことで、どのようなきっかけでアダルトチルドレンになったのでしょうか。
順番に解説していきたいと思います。
アダルトチルドレンの定義
アダルトチルドレンは、『アルコール依存症患者の親のもとで育った子ども』という意味でアメリカで生まれた言葉で、アルコール依存症の臨床の現場や、アダルトチルドレンの当事者の間で広まりました。
その後アルコール依存症患者の子として育った大人の特徴が、機能不全家族と言われるような、家族が本来持つ役割を果たせない家庭で育った大人にも当てはまることが分かり、広義のアダルトチルドレンと言われるようになりました。
今の日本では、一般的に機能不全家族で家庭内暴力(DV)やネグレクト、過干渉などを受けて育ち、心に何らかのトラウマを抱えて大人になった人のことを指します。
アダルトチルドレンとはどんな人?タイプ別解説
大きく分けて、アダルトチルドレンには6つのタイプがあります。
具体的には、ピエロ役、なぐさめ役(プラケーター)、支え役(イネイブラー)、ヒーロー役、ロストワン役、スケープゴート役と呼ばれています。
ピエロ役
ピエロ役とは、何か家族間でケンカやトラブルが発生した時に、突然歌いだす、笑わせようとするなど、おどけて家族間の緊張を溶かそうとする役割です。
表面的には家族からも、非常にかわいがられていることも多いのがこのタイプの特徴です。
このタイプは周りの雰囲気が険悪になることを特に怖れ、いつも明るくふるまうのが特徴です。
また、自分の感情を限界まで抑え込みやすいとも言われています。
なぐさめ役(プラケーター)
なぐさめ役とは、家族でいつも暗い顔をしている者、例えば夫の飲酒やギャンブル依存症といった行動に疲れている母親や、浪費で家庭を顧みない母親に疲れている父親などを、言葉や行動でなぐさめる子どものことを指します。
家庭内のカウンセラーのような役割です。自分を犠牲にしやすいといった特徴があります。
支え役(イネイブラー)
ほかの家族の世話を焼くタイプです。
自分のことを後回しにしがちで、周りから頼まれると断れずに抱え込みやすいといった特徴があります。
支え役となぐさめ役はあわせて世話役とも呼ばれていて、誰かのお世話をすることにより、自分の存在価値を確かめるといった特徴があります。
ヒーロー役
親から与えられた期待や理想を果たそうと、一生懸命努力するタイプのことを指します。
完璧主義な部分が多く、周りの人からはエリート、努力家などと言われることが多いです。
しかし、本人はそのプレッシャーに押しつぶされないように、必死に頑張り続けているいことが多く、周りの人に助けを求めることも苦手な人が多いです。
何らかの形で挫折したときなど、何か起きてから自分の問題に自覚することが多いことも特徴です。
ロスト・ワン役
ヒーロー役と真逆で、何もしないことで家族に負担をかけないように、しようとすることが特徴です。
自分の存在を消し、自分の気持ちを隠そうとするといった特徴があります。
ヒーロー役と同じ家庭に兄弟としていることも多いです。
スケープゴート役
ほかの家族にこの子がいなければ、家庭はうまくいくと思わせるため、家族の問題点を背負う子どもです。
具体的には非行に走る、不登校や引きこもりなどの、一見問題と思われる行動を起こすことで、家族が結束して家庭を維持できるようにする役割があります。
このタイプは自分の苦しい環境をなげく一方、自分が幸せになることを恐れていて、仲のいい関係をわざと壊すような言動をとってしまうことがあります。
アダルトチルドレンによくある悩み
アダルトチルドレンの人によくある悩みは、大きく分けて3つあります。
1つ目は恋愛の問題
特に、一方的に依存したり依存されたりすることなど、対等な恋愛関係を築きにくいことが特徴です。
女性の場合、DVをする男性などと付き合いやすくなるという問題もあります。
2つ目は自分に対する問題
アダルトチルドレンの人は、自尊感情や自己肯定感が低いことが多く、自分自身を認められない、自分自身を責めがちといった問題があります。
3つ目は人間関係の問題
何かあったときに助けを求められない、自分に自信がないため意見が言えない、自分のことを犠牲にしてしまうといった問題が、起きやすい特徴があります。
以上がアダルトチルドレンの特徴です。
もし自分がアダルトチルドレンかもしれないと思ったら、誰か信頼できる人に相談してみてください。
教育の世界に身を置く【メンタル系教育研究者】
幼少期は明朗快活で好奇心旺盛な男の子だったが、中学受験で勉強し過ぎて、健全な人格形成の機会を逃した、典型的な燃え尽き症候群。
毒親育ちにありがちな『遊びたい』が口癖で、際限なく自由さを求める特徴がある。
現在も家族問題に起因する様々な恐怖症の影響が残っており、日々思考を重ねて改善を試みながら生きている。
家族のことや心の問題など、生きている中で悩んでいる問題に立ち向かうパワーを与えることが記事執筆の目的。
書く内容は一般論をベースとはしません。筆者である私の考えをもとに理論立てていきますので、読者さんには筆者がどういう人間であるかを推察しながら、そこに存在する普遍的な真理を掴みとっていただければと思います。
また教育関連の記事については、自身の経験から、偏差値だけで考えたり、詰め込み式で勉強をすると受験に失敗するという見方を示すことが多いです。
勉強については一番近道は、我流を捨てて素直に学ぶことです。