【イスラム教では何故ダメなの?】焼却される楽器/たばこ/酒

イスラム国に燃やされる楽器。

これは即ち、イスラムでは楽器を使った音楽が禁止されているということなのだろう?

イスラム教の聖典『クルアーン(コーラン)』では、楽器が明確に禁止とされている箇所は見当たらない。

しかし、イスラム教徒が大切にしているのは『クルアーン』だけではない。預言者ムハンマドが語った言行録である『ハディース』や、同じくムハンマドの慣行や範例をまとめた『スンナ』がこれに当たる。

『ハディース』の中で、ムハンマドがたまたま聞こえてきた音楽に耳を塞いだり、楽器は悪魔の呼びかけだと語ったことが記されている。

詩歌に節を付けてアカペラで歌う光景自体は珍しくはないが、『ハディース』に則り、基本的に楽器による演奏を伴う音楽は、忌避される傾向にある。

イスラム国により、楽器が燃やされる動画がアップされるのはこの為だ。彼らは如何に自分達が厳格なイスラム教徒であるかを、強烈にアピールしているという訳だ。

最近イスラム国が(IS)が「燃やす」ことをアピールするプロパガンダが目立つ。

イラク西部アンバル県バグダディでは、地元警察やスンニー派の武装組織「アス・サフヴァ」のメンバー達45人が生きたまま焼き殺された。

ヨルダン人パイロットが焼殺されたことは記憶に新しが、敵対する人間や楽器だけでなく、たばこ、酒など、イスラムにとって悪と見なされる存在が次々に焼かれている。

音楽・たばこ・酒・・・

これらはどれも人間を気持ち良くさせる。ついつい楽しくなりすぎて、ハメを外す。人に迷惑をかける。他の邪教や悪魔そのものに心を奪われてしまうとも限らない。

「人間とは堕落した生き物であり、だからこそ神が厳しい規則で縛ってやらねば人の道を踏み外す」

それこそが「神の思し召し」だと考えるのがイスラム教だ。

敵対する人間や人間を惑わす「悪」を、「地獄」と「無」の象徴である炎で徹底的に焼き尽くす。

こうした行為を執拗なまでに繰り返すことで、各国に対しイスラム国が如何に鉄のように硬い意思を持っているかを示し、世界のイスラム教徒に対して、厳格なイスラム国家であることを強烈にアピールする狙いがある。

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