映画『おくりびと』ですっかり注目を浴びた納棺師。
しかし、現実は映画の様に素晴らし世界だけとは限りません。
どんな世界にも華やかな表向き(光)の世界と、怨霊渦巻く闇(裏)の世界があります。
納棺師のもとに届いた驚愕の依頼!あなたはこの現実に耐えられますか!?
プロローグ
数ある自殺の中でも、遺体の損傷の大きさで言えば、電車への飛び込み自殺のそれは凄まじい。
納棺師の体験談
人身事故で首が取れてしまった故人の葬儀を依頼された。
まだ若い男性だった。
早速指定された時間に、故人が安置されている警察署に遺体を引き取りに行く。
首は見事にもげており、横腹からは内臓が飛び出ていた。
即死!
まさにそんな言葉がぴったりのご遺体だった。
(遺体の損傷が激しいので)対面してお別れするかどうかは、葬儀屋と相談して決めるようにと、警察から遺族に話があった様だが、故人の母親から、何とか最後のお別れをするために、対面できるようにして欲しいと懇願された。
どんな姿であれ、子供の最期の姿を見たい、
首はもげているが、幸いにして顔は意外にきれいだった。
これならばイケる!
早速会社の霊安室に遺体を安置してから、納棺師を呼ぶ。
かくして納棺師がやって来た訳だが、ご遺体をひと目見て、納棺師が叫ぶ。
はっ!?
アホかー!ボケー!カスー!お前のかーちゃんデベソー!
慌てて納棺師が首と手を激しく横に振る。
そんなに首振ったら、頭取れちゃうよ・・・
納棺師曰く、例え直接顔に物理的衝撃が加わらなくとも、首が最後まで繋がっていると、繋がっている部分から衝撃が伝わって、顔面崩壊が著しいらしい。
もちろん直接物理的衝撃が加わる可能性や、車輌に巻き込まれて、グチャグチャになるリスクも高くなる。
どうせ助からないなら、
それを踏まえた上での、『良かったですね』らしい。
そういうことは、先に言ってくれよ!
単なる頭のイカれたサイコ野郎かと、思っちゃうじゃん!
いや、まぁ、冷静に考えてみれば、どっちにしろえげつねぇ話に変わりはないんだが…
兎に角、なるべく綺麗な姿で遺族に対面させてあげるべく、納棺師の奮闘が始まる。
まず内臓の飛び出した胴体部分や、えぐれた太もも、ちぎれた腕は、巻き付けるタイプのオムツや吸水シーツでグルグル巻きにして、体液がこれ以上流れ出ない様にする。
次に首だ。割り箸などの適当な木の棒を使用して、取れた頭部と胴体を文字どおり串刺しにする。
白装束は切ったり貼ったり、くり抜いたりして、あまり体を動かさないで済むようにしながら着せていく。
首の繋ぎ目は、厚めのパテ等を使って修復並びに化粧を施し、仕上げに綿で作った襟などを用いて、なるべく見えないように隠す。
最後に顔の傷をファンデーションで丹念に消せば、見事に完成!
うーん、まるで眠っているかのようだ。首がちぎれた遺体とは到底思えない。
さすがにプロの納棺師。手際が良い。
ビフォーを知っているだけに、安堵感が全身を駆け巡る。
その後、無事遺族と対面させてあげることが出来た。
しかし、息子の顔を愛おしそうに撫でながら流した母の涙と、失われてしまった尊いひとつの命だけは、いかに凄腕のプロの納棺師と言えども止めることも、取り戻すこともかなわない。
火葬が終わり、息子の遺骨を大事に抱え、小さく肩を落として去っていく夫婦を見送りながら、
そんな思いがふと頭をよぎる。
大きく息をした後、風の中に混じり始めた秋の気配を感じながら、足早に火葬場を後にした。
何せ、これから生後2ヶ月で突然死した赤ちゃんのご遺体を迎えに行かねばならないのだ。
やはり、この世こそ地獄に違いない…
遺された自死遺族の慟哭
自分の命をどうしようが自由。
そんなことを言う人達がいる。
しかし、後には遺される人がいる。
あなたは死んで、逃げてしまえば一番楽かも知れない。
でも、その死を背負って死よりも苦しい地獄を、何十年も生きていかなければならない人がいるかも知れない。
その事実は絶対に無視してはいけない!
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