ビジネスマンにとって強い味方、経費。
出費が全て経費で落ちればどんなにいいだろう?
サラリーマンなら一度は夢見る【壮大な夢】ですが、接待に使った風俗の支払いは経費で落ちるのでしょうか?
今年の春頃から数年間ご無沙汰だった商社時代の仕事仲間と、またちょくちょく飲みに行くようになった。
その中のひとり「彼」。
※怪しい関係ではありません。
笑える「彼」のあだ名とは・・・?
数年前、まだ「彼」と一緒に働いていた頃の話。
ある日、飲み屋でのこと。
いつものように4~5人で軽快にビールをあおっていた。
かなり酒が入り、みんなの気分は上々⤴︎⤴︎
ところが「彼」のテンションだけが、イマイチ上がらない。
みんなに突っ込まれ、ようやく重い口を開いた「彼」。
恐る恐る財布から「彼」が取りだしたのは一枚の領収書。
ぱっと見ごく普通の領収書・・・
かと思いきや、発行元の名前が・・・
『プッチモミ♡』
もう完全に~
もう完全に~
エロいやつじゃん!!!
ウチは超が付くほどお堅い大手専門商社。
「プチ」だろうが何だろうが、揉んじゃあダメだろ、揉んじゃあ!
清算はスッパリ諦めて、
てめぇの汚いケツでも拭きやがれ!!!
周囲の冷ややかな目線が容赦なく降り注ぐ。
何も【違く】ねーし…
誰もなんにも言ってないのに、機関銃のごとくに言い訳を始める「彼」。
当時勤めていた会社の顧客には大企業がずら~り。
当然派手な接待は日常茶飯事だったが、我が社の社長が経済団体の会長を務めたりしており、業界のリーディングカンパニーとしての品格を保つため、その手の店を使用した接待だけはご法度だった。
ひとまず「彼」の言い分をまとめると、とある取引先の担当と飲みに行き、お互いベロベロになるまで飲んだらしい。
取引先の人間もそっち系がかなり好きな人らしく、言われるがままに、いかがわし~お店に行ってしまったとのこと。
って言ってたけど、完全に
お前の欲望の為だろ!?
せめて飲食店名義で領収書を発行してもらうとか、少し頭ひねれば方法は他にもあっただろうに、完全に酒に飲まれた口だ。
泥酔状態だったことに加え、大口の契約がまとまったことでテンションが上がり、何故かすんなり経理を通過出来る思ったらしい。
出来るか、バ~カ!
シラフになって初めて、
どエライことになった!!!
ってことにようやく気が付いたらしい。
まぁ、金額が金額だしね。
勿論会計上は風俗代を経費で落とすことは可能だが、お堅い上場会社の経理が、イチ平社員の持ってきたモロ風俗の領収書など、すんなり通す訳が無い。
って言葉が全てなのだが、さんざん悪態をついておいて何だが・・・悲しいかな同じ男として、痛いほど若干気持が分かってしまう。
そっぽを向くC美をよそに、バカな男連中で必死に頭をひねる。
修正は出来ないので取りあえず、文字を消してみようってことで話は落ち着いた。
秘技「ポテチ消し」
月の半分以上を出張に費やす私が、出張先から毎日の日報を出す時によく使っていた技だ。
説明しよう!
コンビニも近くに無い地方での出張。
深夜に日報を書くことが多かったのだが、修正テープが見当たらないこともある。
そこで登場するのが、当時常時携帯していたスナック菓子。
油性インクは水には強いが、同じ油性の物には溶ける。
その性質を利用してスナック菓子にインクを吸わせる訳だ。
完全に液体の除光液に比べても、滲みも比較的少ない。
勿論完全にきれいにはならないがコツをつかむと、これが結構イケる。
かなり酒が入っていたこともあり、満場一致で「ポテチ消し」採用決定!
早速メニューにあったポテチを注文し、大の大人が1枚の風俗店の領収書を囲んで、ああだこうだと必死こく。
バカばっか・・・
余談だが必死に頑張る我々を横目に、C美はポテチを「彼」の腕にこすりつけていた。
後で聞いた話では、その心は・・・
「お前が消えろ!」
という無言のメッセージだったらしい・・・
お、恐ろしい・・・
兎に角かなり不自然ではあるが、取りあえず消えるには消えた。
新たに生み出された領収書の発行元は、
『プッチモ』
今から考えればバカみたいな話だが、その時は全員みょうな達成感に包まれていた。
何だかイケそうな気がする〜♬
「彼」の目元は感激で若干潤んでいるように見えた。
『パイパニック❤』
満場一致で、
もう死ね!!!
って思ったよね。
経費落ちずに、
地獄に堕ちろ!
ちなみに後日談としては、案の定経理に突っ込まれて、自腹寸前だった所を、いつもはクールな営業本部の常務のひとりが、必死にかばってくれたらしい。
経理上の詳しい処理方法までは分からないが、ひとまず「彼」には、領収書分の金額が補填されることで一件落着した。
経費で落ちたことで、地獄には堕ちずには済んだ訳だが、それにしても気になるのは・・・
じ、常務・・・あんたの過去に一体何が・・・?
その後の「彼」のあだ名は勿論、
「プッチモ」
余談だが個人的には過去に「○×□△モミ」という店名の「モミ」の部分を削除しようとした人間がいて、これが「モミ消す」の語源だと思っているのだか、残念ながらまだ裏は取れていない。
日本文学会からの正式な発表が待たれる次第だ。
※諸説有り(ウソ)