【薨去・逝去・死去】皇族の『死』はどう表現されるの?

三笠宮寛仁殿下の死

三笠宮寛仁さまが100歳で薨去された。

一方各メディアの報道を比較し、正しい報道がなされているかについて熱い議論が繰り広げられている。

各メディアの報道は薨去・逝去・死去などの二字熟語から、「天寿を全う」など様々だが、今回は二字熟語に絞ってそれぞれのメディアの第一報をまとめてみた。

薨去(こうきょ)

親王や三位以上の死を意味する言葉。

産経新聞

三笠宮寛仁さまが薨去された。

逝去(せいきょ)

「死ぬ」の敬語。亡くなること。

朝日新聞

三笠宮崇仁さま逝去 100歳、天皇陛下の叔父

読売新聞

三笠宮さまがご逝去…100歳、昭和天皇の末弟

日本経済新聞

三笠宮さまが逝去 昭和天皇の末弟

毎日新聞

三笠宮さまご逝去100歳=天皇陛下の叔父

NHK

三笠宮さま ご逝去 昭和天皇の弟で100歳

時事通信

三笠宮さま逝去=100歳、昭和天皇末弟-歴史学者として活躍

日本テレビ

 三笠宮さまご逝去 死因は高齢に伴う心不全

TBS

三笠宮さま ご逝去、昭和天皇の弟で皇族最高齢100歳

東洋経済

三笠宮さま100歳で逝去、学者としても活躍

死去(しきょ)

人が死ぬこと。 

共同通信

三笠宮さま、都内の病院で27日朝死去

まとめ

キリがないのでやめたが、地方紙やネットニュースなど、圧倒的に多いのは「逝去」だった。

もちろんこの場合、どれも不正解とまでは言えないが、最も適しているのはやはり「薨去」だろう。

ネットには「死去」を使用した共同通信を中心に、メディアの語彙力のなさを嘆く声が多かったが、そうではないだろう。

皇族クラスが亡くなった場合に使用する言葉は、「崩御」「薨御」「薨去」「卒去」など多くのものが存在する。

すべて正確には言えなかったとしても、一般人ですらこうした後続特有の特殊な呼び名の存在を知っていることは珍しくはないはずだ。

現に私を含め、私の周りの人間の多くが「崩御」という言葉と、その下に「何かしらあったはず」という感覚は持っていた。

こうした事実をジャーナリストが知らない訳はないし、そうした人間たちにより何度もチェックを通過して発表される以上、単なる語彙不足は有り得ない。

しかも皇族専用の取材部隊が存在するメディアも少なくないはずだ。

ではなぜか?

おバカタレントが世の中を席巻し、日本語の語彙力は明らかに低下している。

良い悪いは別として、そうした風潮を受け、より分かりやすい形を選んだ結果が各社のあの様な報道になったのだろう。

最もふさわしい「薨去」を使用した大手メディアが少なく、「死去」まで使うメディアがあったことは、思わぬ形で国民の国語力低下を示してしまったのかもしれない。

 

※「死去」は確かに不敬だが、それを言えば大半の人間にとって使用できない。

共同通信が「死去」を用いた背景には、感情や周辺事情を一切考えず、事実だけを伝える【ただの言葉】として、最も平凡な単語をチョイスしたと考えられる。

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