キャハハハ。マジウケる~
帰宅客で混雑する埼京線内で、女子高生2人組が楽しそうに話をしていた。
部活の先輩が言ってたんだけど、代官山にメチャうま(美味)のケーキ屋が出来たらしいよ!
えっ、マジで?近々一緒に行こうよ!
楽しそうに大はしゃぎしていた2人だが、都内の某駅に電車が到着する。
まだしゃべりたこといっぱいあるのに~
また明日聴くね笑 バイバイーイ!
降りてった子は改札に向かって、人混みの中へと消えていく。
残された女子高生は笑顔で手を振りながら、その後ろ姿を見送る。
プシュー・・・
電車の扉が閉まる。
バイバーイ。出来れば永遠に・・・
その言葉に気が付いた若いサラリーマンが一瞬顔を引きつらせたが、徐々に元の無関心な表情へと戻るのにそう時間はかからなかった。
電車は徐々にスピードを増していく。
家々の、ビル群の、商店街、街灯の・・・無数の光が車窓に映っては、ものすごい速さでフレームアウトしていく。
多くの人が暮らす街、多くの人間模様が交錯する街。
だがこの車内からは、その息吹を微塵も感じ取ることは出来ない。
冷たく光る命の営み。
怪しく揺らめく欲望の炎。
音も無く輝く生命の鼓動。
(何もかもが恐ろしい街だ)
ふとそんな思いが頭を過ったが、すぐに心の闇の中へとフレームアウトしていった。
そう、あの無数の光のように・・・
侘しさを従えた深秋の存在に怯えながら、私は小さく身震いしてみせた。
な~んてwww