【増えるベビーカーのトラブルを考える】社会としてどう対処していくべきか?

近年、ベビーカーをめぐるトラブルが頻発している。

小さな子供を抱える母親が、ベビーカーを押しての外出に不安を覚える社会になってしまわないかと、密かに気を揉んでいる。

ベビーカーに乗った男児が、駅の通路で男に殴られた事件が波紋を呼んでいる。

警視庁丸の内署は28日までに、駅の通路でベビーカーに乗った1歳の男児を殴ったとして、暴行の疑いで東京都荒川区の無職新井説夫容疑者(64)を現行犯逮捕した。

同署によると、「ベビーカーが進路をふさぎ邪魔だったので腹が立った」と容疑を認めているという。男児にけがはなかった。

逮捕容疑は26日午後1時ごろ、東京メトロ有楽町駅の地下通路で、擦れ違いざまに男児のおでこを右手で1回殴った疑い。

男児は30代の両親や兄(5)と一緒だった。男児の父親が、殴った後に立ち去ろうとした容疑者を取り押さえた。 

ネットには殴った男に対する非難が相次いでいるが、先述のとおり、ベビーカーをめぐるトラブルは年々増加の一途をたどっている。 

以前ベビーカーについて書いた記事がヤフーのニュースアプリで紹介されたが、改めて国民の関心の高さを思い知らされた。

国土交通省がベビーカーを広げたまま使用出来る公共機関に、ベビーカーマークを取り付けるなど、ガイドラインを発表しトラブル防止に動いているが、今のところ思った成果は上がっていないようだ。

実はベビーカー問題は日本に限ったことではない。

ニューヨーク・ロサンゼルス・ロンドン・パリ・ベルリン・・・

世界を代表する大都市は程度の差はあれ、朝夕の通勤通学ラッシュを抱えており、ベビーカーは大きな問題となっている。

ロンドンのように明確なガイドラインを打ち出している都市から、パリのようにほぼ手付かずの都市まで対応は様々だが、残念ながらどこの都市も、及第点にすら届いていないというのが現状だ。

ベビーカーを受け入れる側の人間だけでなく、扱う側の人間にも大きな問題があると指摘する人間も多い。

事実国土交通省の調査では、7割の人間がベビーカーそものもに関しては寛容だが、6割の人間が扱う側のマナーには不満があると答えている。

巨大なベビーカーを持ち込む、子供が乗っていないのにベビーカーを畳まない、当然のように我が物顔、ベビーカーをほったらかし・・・

確かにこの調査結果と不満の声には、思わずうなずいてしまう人も多いのではないだろうか。

マナーの低下が叫ばれる今、昭和の時代におんぶ紐で頑張った先輩の母親世代との構造的な確執もあり、今後益々多くのトラブルを生むことだろう。

今のガイドラインではまだ不十分だ。

まず、国が地域や公共機関毎の使用範囲は勿論、現状定められた持ち込み可能サイズが適正かに至るまで、細かく見直し、十分なガイドラインを決定することが先決だ。

またベビーカーの販売店に消費者にガイドライン説明を徹底させるなど、ルールの周知に努めることも必要だろう。

公共機関は他の利用者の教育に協力すると共に、例えばラッシュ時でも比較的空いている女性専用車両をベビーカー専用にするなど、まだまだ取れる対策は多い様に思う。

各自やれることは積極的にやるべきだ。

最後に・・・

どんなに頭にこようが、子供は未来の宝だ。何れ広い意味で自分達がお世話になる時が必ず来る。そして忘れてはいけないのは、宝を育てる母親もまた宝だということだ。

そのことを念頭に基本的には全面協力の姿勢は崩さずに、扱う側も受け入れる側も気持ち良く暮らせる社会作りを目指したいと思うのだが、如何だろうか。

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