2015年8月6日。
70回目の原爆の日を迎えた広島。
一瞬にして51,787棟の建物を全壊・全焼させ、1945年だけで14万人を死に至らしめた、わずか3.12mの一発の爆弾。
この1年で死亡が確認された被爆者は5,359人。これで原爆死没者名簿は109冊、29万7684人の名前が記されることとなった。
平和記念式典にはアメリカのキャロライン・ケネディ駐日大使、アメリカ政府高官として初めての出席となるローズ・ゴットメラー国務次官を筆頭に、英、仏、露の駐日大使など、史上最多となる世界100ヵ国の代表が参加した。
2015年8月9日。
70回目の原爆の日を迎えた長崎。
一瞬にして12,900棟の建物を全壊・全焼させ、73,900人の死者と74,900人の負傷者を出した、わずか3.66mの一発の爆弾。
この1年間で新たに死亡が確認された死者は3,373人で、長崎の原爆死没者は合計で16万8,767人となった。
平和式典には広島同様ローズ・ゴットメラー国務次官など、過去最高となる75ヵ国の代表が参加し、犠牲者への祈りと平和への歩みを誓った。
原爆投下から70年経った現在でも、その影響に苦しむ人達が大勢いる現実を思い知らされる一方、少しでも多くの国が平和式典に参加し、原爆の恐ろしさを知る機会に接してくれたことに感謝している。
しかし、一方で個人的に非常に注目していた中国は不参加となった。(韓国は元駐広島総領事が出席)
注目していた理由は、今年5月の核不拡散条約をめぐるやりとりからだ。
【ニューヨーク 5月13日】
核不拡散条約を巡って、日中韓の対立が波紋を広げている。
核不拡散条約(NPT)再検討会議の最終文書案から、世界の指導者らに被爆地(広島・長崎)訪問を提案する文言が中国の反対で削除された問題で、日本の杉山晋輔外務審議官が文言を戻すよう呼びかけたのに対し、中国が改めて反対、韓国も消極的な姿勢を示した。
朝日新聞
各国の指導者や若者に広島や長崎を訪れるよう呼びかける記述は、日本などが提案。8日に配布された最初の素案には盛り込まれていたが、中国が「日本は戦争を始めた加害者であるにもかかわらず、自らを被害者として描こうとしている」と反発。12日に配布された素案の修正版で削除された。
読売オンライン
要するに『世界の主導者が広島・長崎を訪問することで、核軍縮を加速させようとした日本の主張に、【日本は戦犯国だから】という理由で中韓がケチを付けた』ということだ。
日本のやることなすこと全てにケチをつける韓国は兎も角として、正直中国にはがっかりした。
外交とは自らの国益の為に、見えない銃で打ち合う、謂わば武器を使わない戦争だ。
『右手では握手をしながら、左手は今にも相手に殴りかかろうと身構える』そんな表現をする人間もいる。
1つの民族の中の少数の軍国主義者が発動した侵略戦争を理由に、その民族そのものを敵視するべきではない
どこかでそんな記述を目にしたことがあるが、全くその通りだ。