日本の凶悪殺人事件ランキング
世界でも非常に安全な国として知られる日本。
しかし、他国同様過去には放火等の大量殺人やシリアルキラーによる連続殺人事件等、凶悪な犯人によって、数多くの命が奪われた忌まわしい事件も数多く存在します。
複数の被害者を生んだ事件の中でも、特に死者数の多い事件をピックアップしてみました。
※大量殺人なのか事故なのか、はっきり原因が特定できない事件・事故については記載しておりません。
ワースト1位
★寿産院事件★
犯人 | 寿産院経営者夫婦 |
発生日時 | 1944年4月 – 1948年1月 |
事件現場 | 東京都新宿区 |
死者 | 103人(85 -169人) |
主な死因 | 凍死・餓死・窒息死 |
★事件概要
戦後のベビーブームで生まれた大量の嬰児が、預け先の寿産院で、虐待により殺害された事件。
親からの養育費と都からの助成金や配給品を不正に着服し、100名以上の嬰児を餓死・凍死・窒息死等させたとされる。
犠牲者は103名が有力とされるが、正確な数は不明で推定83名~169名と大きな幅がある。
戦後の混乱期や社会的背景などにより、寿産院の経営者であるAに懲役4年、共犯者の夫Bに懲役2年等、犯人たちにとって非常にあまい判決となっている。
ワースト2位
★京都アニメーション放火事件★
犯人 | 青葉真司 |
発生日時 | 2019年7月18日 |
事件現場 | 京都府京都市伏見区 |
死者 | 36人 |
主な死因 | 焼死・一酸化炭素中毒 |
★事件概要
「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」「けいおん!」などの作品で世界的に知られる京都アニメーションの第1スタジオが放火され、36人が死亡、33名が重軽傷を負った事件。
自分の作品をパクられたと主張する(真意は現在不明)犯人が、1階のらせん階段付近で大量のガソリンを撒いて、多目的ライターで放火。爆発的な炎と煙が、らせん階段を駆け上がり、あっという間に建物は炎と黒煙に包まれた。
逃げ遅れた多くのスタッフが焼死(一部は一酸化炭素中毒と窒息死)した。
犯人も全身に大やけどを負って意識不明のまま病院に搬送されたが、治療により一命を取り留めた。
ワースト3位
★津山事件★
犯人 | 都井睦雄 |
発生日時 | 1938年5月21日 |
事件現場 | 岡山県苫田郡西加茂村 |
死者 | 30人 |
主な死因 | 斬殺・射殺 |
★事件概要
『八つ墓村』のモチーフとして有名な事件で、明確な殺意をもって、ひとりひとり直接殺害した大量殺人事件としては、戦後最悪。
自身が肺結核に感染したことで、幼馴染との結婚が破談にされた都井が、自分の悪口を言った村人を順番に殺害していったとされる事件。
2時間足らずの間に28人を猟銃や日本刀で殺害、5人に重傷を負わせた。(重傷者のうち2人はその後死亡)
都井自身も猟銃で心臓を打ち抜いて自殺した。21歳だった。
ワースト4位
★北新地ビル放火殺人事件★
犯人 | 谷本盛雄 |
発生日時 | 2021年12月17日 |
事件現場 | 大阪市北区曽根崎新地一丁目『堂島ビル』4階 |
死者 | 27人(犯人含む) |
主な死因 | 一酸化炭素中毒 |
★事件概要
大阪の『働く人の西梅田こころとからだのクリニック』において、当院の通院患者とされる人物が起こした放火殺人事件。
エレベータから降りた容疑者が持参した紙袋をけり倒して、ライターのようなもので着火。逃げ惑う人を捕まえるなどして、居合わせた多くの人間の道連れにして自殺を図った。
犯人は意識不明の重体で病院に搬送されたが、その後意識が戻ることはなく、約2週間後に死亡した。また、2022年に3月に重体だった女性が死亡し、犯人・クリニック院長を含む27人が命を落とす結果となった。
その後の捜査で自宅や現場から刃物や催涙スプレーなどが見つかっており、また現場の防火扉や消火栓が正常に機能しないように細工した跡が見つかっていることから、強い殺意と計画性が裏付けられた。男の部屋からは【京都アニメーション放火事件】の新聞記事の切り抜きなども見つかっている。
ワースト5位
★日本航空350便墜落事故件★
犯人 | 片桐清二機長 |
発生日時 | 1982年2月9日 |
事件現場 | 羽田空港沖の東京湾 |
死者 | 24人 |
主な死因 | 墜落 |
★事件概要
福岡空港を出発し、羽田空港へ着陸しようとした日本航空350便が滑走路510m手前の東京湾に墜落した事故。
妄想性精神分裂症・うつ病・心身症等を患っていた機長が、故意に機体を減速させ、墜落(自殺未遂)を図ったもの。
乗員乗客174名のうち24名が死亡した。
副操縦士と航空機関士が異常に気付いて直ぐに止めに入らなければ、更に多くの死者が出ていたと言われている。
その後の裁判で機長は心神喪失が認められ、不起訴となっている。
ワースト6位
★相模原市障害者施設殺傷事件★
犯人 | 植松聖 |
発生日時 | 2016年7月26日 |
事件現場 | 神奈川県相模原市 |
死者 | 19人 |
主な死因 | 刺殺 |
★事件概要
神奈川県相模原市にある知的障害者施設「神奈川県立 津久井やまゆり園」の元職員であった植松聖が、午前二時ごろ施設内に侵入、寝ていた入居者を次々と刺殺した大量殺人事件。
被害者は死亡者19名、重軽傷者26名にも上った。
同機は障害者を社会に不必要な存在として排除すべきという、身勝手極まりない理由であったが、犯人もパーソナリティ障害があったことが判明している。
特殊な背景を持つオウム真理教事件を除けば、戦後最悪の大量殺人事件。
ワースト7位
★連合赤軍事件★
犯人 | 坂口 弘 |
発生日時 | 1971年~1972年 |
事件現場 | 群馬県・静岡県・千葉県・東京都 |
死者 | 17人(殺人16件・傷害致死1件) |
主な死因 | リンチ・絞殺・銃殺 |
★事件概要
日本のテロ組織・新左翼組織である連合赤軍の起こした事件。
連合赤軍は「総括」と称する内部粛清のためのリンチ殺人事件(印旛沼事件・山岳ベース事件)や、人質立てこもり事件(あさま山荘事件)等、多くの死亡者を出す凶悪事件を起こしたが、ナンバー3であった連合赤軍中央委員会書記長の坂口弘は最終的に16件の殺人と、1件の傷害致死事件で逮捕・起訴され、死刑判決を受けた。
ワースト8位
★大阪個室ビデオ店放火事件★
犯人 | 小川和弘 |
発生日時 | 2008年10月1日 |
事件現場 | 大阪府大阪市 |
死者 | 16人 |
主な死因 | 一酸化炭素中毒 |
★事件概要
大阪の雑居ビル1階にある個室ビデオ「試写室キャッツなんば店」で起きた、大量放火殺人事件。15人が死亡、10人が重軽傷を負った事件(後に1名死亡)。
生活保護受給者で、多額の借金のあった犯人が、自分の人生に嫌気がさして、訪れた個室ビデオ店で、突発的に店内の備品や自分の荷物に火を着けた。
店舗は1階にあったが、ここまで被害が拡大した背景には、通路は狭く備品が散乱していたことや、出口が一か所しかなかったこと、火災発生時における社員教育がされていなかったことなど、店側の不手際による所も大きい。
この事件をきっかけに、全国の個室ビデオやカラオケボックスにおいて、火災対応への在り方が見直されることとなった。
ワースト9位
★長崎屋火災★
犯人 | 不明 |
発生日時 | 1990年3月18日 |
事件現場 | 兵庫県尼崎市 |
死者 | 15人 |
主な死因 | 一酸化炭素中毒 |
★事件概要
地上5階地下1階の大型商業施設の4階、インテリア売り場で発生した火災による大量死亡事件。
5階に取り残された15名(従業員12名・客3名)が、売り場にあった大量の化学繊維から発生した有毒ガスを吸い込み、一酸化炭素中毒で死亡した。
消防署からの再三の改善命令に従わず、大量の段ボールを防火扉付近に置いていたため、防火扉が閉まらず、煙を上階に上げてしまった。これにより元店長二人が業務上過失致死傷罪で有罪判決を受けている。
出火原因は放火と断定されたが、昼の混雑時のスーパーでの出来事であるため、残念ながら犯人の特定には至らず、2005年に公訴時効を迎えた。
ワースト10位
★帝銀事件★
犯人 | 平沢貞通とされている |
発生日時 | 1948年1月26日 |
事件現場 | 東京都豊島区 |
死者 | 12人 |
主な死因 | 毒殺 |
★事件概要
豊島区の帝国銀行椎名町支店(現在の三井住友銀行)で起きた毒殺強盗事件。
厚生省の職員を装った犯人が、赤痢の予防接種の為と偽って、行員と用務員一家に青酸カリを飲ませ、12人を毒殺。現金16万円と安田銀行(現在のみずほ銀行)の小切手17,450円を持って逃走した。(現在の貨幣価値に換算すると金額の100倍)
衛生状況が良くなく、伝染病が大きな脅威であった時代の悲劇。
事件の3か月ほど前に安田銀行荏原支店で同様の事件が起きており、その時犯人の出した名刺を手掛かりに、テンペラ画家の平沢貞通が逮捕された。
しかし、裁判の決め手となった自白は、拷問により強要されたものであり、毒薬の知識のない平沢が犯行を行うことは不可能として、えん罪事件とみる向きも依然として強く、真相は謎。
ワースト11
★茨城・徳宿村精米業一家殺害事件★
犯人 | 白衣の怪人 |
発生日時 | 1954年 |
事件現場 | 茨城県鹿島郡徳宿村(現・鉾田市) |
死者 | 9人 |
主な死因 | 絞殺・射殺 |
★事件概要
農家兼精米業を営む男性宅から出火。9人の焼死体が見つかった。
司法解剖の結果、毒殺と判明。「白衣の怪人」と呼ばれるとある男が捜査線上に浮上する。
しかし、最終的に男は仁丹ケースに忍ばせていた青酸カリを飲んで自殺した。
ワースト11
★座間9遺体事件★
犯人 | 白石隆浩 |
発生日時 | 2017年8月-10月 |
事件現場 | 神奈川県座間市 |
死者 | 9人 |
主な死因 | 絞殺 |
★事件概要
座間市にあるアパート内で10代から20代の女性9名、男性1名が殺害された事件。殺害された男性は最初に殺害された女性と付き合っており、彼女の捜索の過程で発覚を恐れた破人に殺害された。
Twitterを駆使して自殺願望のある人間とコンタクトを取り、自殺幇助をほのめかしてアパートに誘い込み、殺害していた。
アパート内に招き入れた後は、酒や睡眠薬を飲ませて性的暴行を加えた後、ロープを使って絞殺、金品を奪って死体を損壊させるのがお決まりの手口となっていた。
部屋からは9人分の頭部をはじめ、クーラーボックスや収納箱に詰められた大量の臓器や人骨が発見されている。
部屋には10人目の被害者の為に用意された空の箱があったという。
この事件をきっかけにTwitter上で、自殺や自傷行をほのめかすツイートや、それに関するやり取りへの取り締まりが強化された。
番外編
★オウム真理教事件★
犯人 | オウム真理教 |
発生日時 | 1980年代末期 – 1990年代中期 |
事件現場 | 東京都・神奈川県・長野県など |
死者 | 32人 |
主な死因 | 毒殺・絞殺など |
★事件概要
オウム真理教が起こした一連の事件の総称。
東京の地下鉄内にサリンを撒くという、前代未聞の無差別テロで12人を殺害した「地下鉄サリン事件」や、長野県松本市の住宅街でサリンを撒いて8人を殺害した「松本サリン事件」、オウム真理教と対立していた坂本弁護士一家3人を殺害した「坂本堤弁護士一家殺害事件」(俗に言う【オウム真理教3大事件】)をはじめ、過失致死を含め、32人がオウム真理教によって殺害された。
教祖の麻原彰晃(松本智津夫)をはじめとする教団幹部13人が死刑判決を受け、2018年7月、幹部全員に対して死刑が執行された。
★勝田清孝事件★
犯人 | 勝田清孝 |
発生日時 | 1982年10月~1983年1月 |
事件現場 | 京阪神・愛知・岐阜・滋賀 |
死者 | 8人(疑いは22件) |
主な死因 | 毒殺・絞殺など |
★事件概要
史上稀にみる超凶悪犯。実に10年間で約300件と言われる窃盗・強盗・殺人・強姦等の凶悪犯罪を起こしている。
22件の殺人への関与が疑われ、本人もその全てにおいて自供していたが、証拠が不十分で立件出来なかったため、最終的に立件可能な8件の殺人で起訴。死刑判決を受ける。佐賀隣人一家殺人事件の大石国勝死刑囚と共に、2000年11月30日に死刑が執行され、20世紀最後の死刑が執行された死刑囚となった。
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