これだけ守れば大丈夫!自宅弔問十箇条
大切な人の葬儀。どうしても用事があって通夜にも告別式にもに出席できない。
後日、お香典を持参して自宅にお伺いすることに・・・
そんな時に守らなければならない、弔問のルールを知っていますか?
4つの場面に分けて、完全解説します。
訪問/挨拶
其の一 お悔やみははっきり言わない
通夜や告別式などの葬儀に参列する場合と同じです。
お悔やみの言葉全体をはっきり言わない、あるいは語尾を濁すことで、悲しさを最大限表現しましょう。
其の二 靴のかかとは下駄箱側へ
奥にいらっしゃる仏様や出迎えてくれたご遺族ににお尻を向けないよう、靴は正面または横を向いて脱ぎます。
下足箱が玄関の左右どちらかにある場合は、下足箱にかかとをつけて置いておきましょう。
ほとんどの人が【玄関の上がり】に、かかとを付けて靴を置きますが、かかとは下駄箱側に付けるのが正解です。
其の三 服装は喪服が基本
やはり服装は喪服がいいでしょう。
しかし仕事先などから直接向かう場合、喪服ではないこともあるでしょう。その場合は先に非礼を詫びてしまいましょう。
その場合はお悔やみの言葉のあとに『仕事場から直接参ったものですので、この様な格好で弔問に訪れてしまいまして、大変申し訳ございません・・・』などのように、ひと言添えましょう。
入室
其の四 襖(ふすま)のヘリは踏まない
弔問に限ったことではありませんが、弔問の際も勿論、襖のヘリは踏んではいけません。
お参り
其の五 数珠は左手に携える
数珠を携えて祭壇に進みましょう。
右手は仏、左手は我を表しますので、数珠は左に携えるのが正解です。
尚、特に女性に多く見受けられるのが、鞄をガサゴソやって必死に数珠を探している姿です。
あまりカッコが良いものではありません。訪問前にポケットに入れ直すか、カバンに入れたままにするなら、取り出し易い所にあるか、再度確認しておきましょう。
其の六 座布団には座らない
本来座布団はお坊さんのためのものです。座らないのがベストの選択です。
ですので、いったん座布団の手前に膝をついて座り、座布団を横にずらしてから祭壇前に座りましょう。
ただし体調や年齢によっては座布団に座りたい場合もあるでしょう。その場合も直接座布団に座ってはいけません。
一旦座布団の前にひ座を付き、改めて座布団に座り直しましょう。
其の七 線香は手で消す
有名ですが念の為。
仏教において口は生き物(食べ物)を取り込む不浄な部位です。また、ウソや悪口など余計なことを発する部位でもあります。
よって、そこから吐き出される息が直接仏や霊にかかるのを嫌います。
線香は手であおって消しましょう。ただし焦って線香に手があたって、折ったりしないように注意しましょう。
おススメは線香の火が付いた部分を、親指と人差し指ではさんで消す方法です。一瞬なので熱くはありません。
もちろんあまり長く挟んだままにすれば火傷しますが、一瞬ギュッと握りこんだくらいでは熱さもほとんど感じません。
ちなみに四十九日までのお線香の本数は、【1本】あげておけば間違いはないでしょう。
2本あげようとする人がいますが、死後四十九日間はあの世へまでの旅路です。『迷わず行けよ、あの世へまでの一本道!』という訳です。
ちなみに浄土真宗はあの世への旅がありませんので、1本でなくても良いのですが、遺族も弔問客も明確にその事を理解している場合は稀でしょうから、オーソドックスに1本で良いでしょう。
其の八 リンの叩き方
リンは内から外へ向って2回叩きます。
上から叩く人がいますが、リンを頭と見立てて、上から叩くことはよろしくないとされています。
其の九 お香典
お香典はご仏前にお供えするのが基本です。祭壇にお供えしましょう。
万が一遺族に渡す場合は『故人様(ご仏前)にお供えください』と一言添えましょう。
ちなみ、四十八日までが御霊前、四十九日以降は御仏前(浄土真宗は日にちに関係なく御仏前)が正解です。
ご逝去から一ヶ月以内であれば【御霊前】、一ヶ月以上経ってどちらかわからない場合は「御仏前」で良いでしょう。
其の十 滞在時間
葬儀が終わって間がない時分は、心身ともに疲労がたまっています。長居は無用です。
逆に少し間が開けば、訪問者と昔の思い出話をしながら故人を懐かしみたい気分かもしれません。
故人と自分の関係、訪問する時期と遺族の心境などをうまく考慮しながら、柔軟に対応しましょう。
ちなみにもしあなた知人の中に後日訪問を考えていそうな人がいたら、日時を合わせてなるべく一緒に訪問しましょう。
葬儀が終わって心労がたまっている状態で、バラバラ、ダラダラ訪問者が続いては、遺族に負担をかけてしまうだけです。
まとめ
冠婚葬祭はマナーのなっている、なっていないをもって、人となりを判断されてしまいがちです。
本葬ではなく弔問と言えども、基本的なルールはしっかりと押さえておきたいところです。
折角の弔問が仇となってしまわないように・・・
とは言っても、一番大切なことは、何をおいても「行くこと」
これに尽きるんですけどね。