【地震】日本史上最悪の自然災害ランキング
地震大国日本。
関東地震、東海地震、東南海地震、三陸地震など、定期的に巨大地震が日本列島を襲うことは周知の事実ですが、20世紀以降に起こった死者1,000人以上の10大地震について、地方ごとにまとめてみました。
東北地方
★昭和三陸地震★
発生日時 | 1933年3月3日午前2時30分48秒 |
主な被災地 | 岩手・宮城 |
マグニチュード | 8.1 |
死者・行方不明者 | 3,064人 |
★事故概要
1896年に起きた明治三陸地震同様、震源が海岸から200km以上と遠かったため、地震そのものの被害は少なかった。
しかし、地殻変動により大津波が襲来し、沿岸部に甚大な被害をもたらした。津波の高さは最大で28.7mを記録している。
ちなみに1896年(19世紀)に起きた「明治三陸地震」では、38.2mの巨大な津波により21,959人の命が奪われた。
★東北地方太平洋沖地震★
発生日時 | 2011年3月11日14時46分18秒 |
主な被災地 | 東北地方 |
マグニチュード | 9.0 |
死者・行方不明者 | 24,627人 |
★事故概要
「東日本大震災」を引き起こした地震。関東大震災以来、実に約90年ぶりに日本列島に1万人を超える死者をもたらした巨大地震。
関東大震災における死者の9割が焼死だったのに対し、こちらは死因の9割以上は津波によるもの。焼死・圧死は1割にも満たない。
免震・耐震には世界中のどこの国よりも厳しく、津波が世界共通語になる程の国家だが、それでも甚大な被害は免れなかった。
原発問題も含め、地震大国日本に突きつけた課題は果てしなく大きくて深い。
関東地方
★東北地方太平洋沖地震★
発生日時 | 1923年9月1日11時58分32秒 |
主な被災地 | 関東地方 |
マグニチュード | 7.9 – 8.2 |
死者 | 105,385人 |
★事故概要
言わずと知れた日本史上最悪の災害、「関東大震災」を引き起こした地震。東京・神奈川が死者の9割以上を占める。
建物の全壊が109,000棟に対し、全焼が212,000棟となっていることから分かる通り、被害者の9割が火災による死者と言われている。
東海地方
★三河地震★
発生日時 | 1945年1月13日午前3時38分23秒 |
主な被災地 | 愛知県 |
マグニチュード | 6.8 |
死者 | 2,306人 |
★事故概要
戦時下であり国民の士気低下を嫌う軍部に隠蔽され、大規模な報道はされなかった。そのため軍部による小規模な救助活動以外は、近隣県からの救助活動や支援が全くなく、被害を拡大させた。
直下型の地震だが、壊滅した集落の隣の集落はほぼ無傷だったりと、都市毎の被害状況に大きな差がある。
37日前に起こった昭和東南海地震によるダメージを受けた建物が十分に修理されないまま三河地震を受け、倒壊したケースも多く、被害が拡大した。
近年見つかった資料では愛知県の一部だけで2,652人が死亡したとの記述がある。
近畿地方
★北丹後地震★
発生日時 | 1927年3月7日18時27分39秒 |
主な被災地 | 京都府 |
マグニチュード | 7.3 |
死者・行方不明者 | 2,925人 |
★事故概要
最も被害の大きかった京丹後市では7-9割の建物が倒壊。発生時刻が春先の夕刻だったため、食事や暖房で火を起こしていた家も多く、大規模な火災が発生、大勢いの焼死者を出した。
震源から離れた大阪市内でも液状化現象を発生させるなど西日本に甚大な被害をもたらしたが、この地震を契機として地震学が大きく発展していくことになる。
★昭和東南海地震★
主な被災地 | 1944年12月7日に午後1時36分 |
主な被災地 | 東海地方 |
マグニチュード | 7.9 |
死者・行方不明者 | 1,223人 |
★事故概要
戦時下であり真珠湾攻撃3周年を迎える年でもあったため、国民の士気を低下させる情報は軍部によって徹底的に隠蔽された。被災地住民にも箝口令が敷かれ、被災地は孤立した。こうした状況のため、正確な死者など詳細は分かっていない。
ちなみに地震計の情報から連合国はこの大地震を正確に把握しており、アメリカ軍が撮影した被災地の写真も残っている。
直後に津波被害の大きかった名古屋地区の軍事工場一体はアメリカ軍による大規模な空爆を受けている。
★昭和南海地震★
発生日時 | 1946年12月21日午前4時19分 |
主な被災地 | 和歌山県・徳島県 |
マグニチュード | 8.0 |
死者・行方不明者 | 1,330人 |
★事故概要
90年程度の周期で定期的に発生している南海地震だが、他の年代に比べて比較的小さな規模の地震だったと言われている。
津波の高さもそれほど高いものではなかったが、それでも沿岸部に甚大な被害をもたらした。
敗戦後の焼け野原から街を復興させようと懸命になっていた矢先の大災害。追い討ちをかけるような地震の被害に、人々は大いに苦しめられることとなった。
★兵庫県南部地震★
主な被災地 | 1995年1月17日5時46分52秒 |
主な被災地 | 兵庫県 |
マグニチュード | 7.3 |
死者・行方不明者 | 6,437人 |
★事故概要
「阪神・淡路大震災」を引き起こした地震。巨大都市を襲った日本で初めての都市型直下地震であり、震度は最高の7。
冬季の早朝であったため、自宅で就寝中に地震に見舞われた人が多く、死因の80%が建物や家具の倒壊による圧死(窒息死)だった。
電気・ガス・水道・電話などのライフラインや道路・鉄道などの交通網は広い範囲に渡って壊され、全く機能しなかった。
津波の影響こそ小さかったが、大規模な火災も発生し、東日本大震災が発生するまでは、戦後最悪の自然災害であった。
北陸地方
★福井地震★
発生日時 | 1948年6月28日16時13分29秒 |
主な被災地 | 福井県 |
マグニチュード | 7.1 |
死者・行方不明者 | 3,769人 |
★事故概要
昭和東南海地震に影響を受けた誘発地震と考えられている。
戦後の復興途中であり、バラックなど脆弱な建物が立つ人口密集地が被災地となったため、東日本大震災・阪神淡路大震災に次ぐ、戦後3番目の甚大な被害を被った。
またマッチ工場からの出火や、夕食時の家庭からの出火等、数多くの火災が発生し、数百人規模の人間が焼死した。
中国地方
★鳥取地震★
発生日時 | 1943年9月10日17時36分54秒 |
主な被災地 | 鳥取県 |
マグニチュード | 7.2 |
死者・行方不明者 | 1,083人 |
★事故概要
戦時中に発生した大地震。古い家屋なども多く、倒壊率は80%に達した。夕食時で火災が発生したが、うまく延焼を食い止めることに成功。関東大震災のような火災による大規模な被害は発生しなかった。
また、関東大震災直後、厳戒態勢の戦時中ということもあり、避難や対策がスムーズで、大きな混乱は起きなかった。
出兵で男性が少なかったため、死者の性別は女性が6割に達する。
戦時中にも関わらず、国内外から多数の支援が寄せられたことは事実のようだが、資料が消失しており詳しいことは不明。
【阪神淡路/東日本大震災】大震災が教えてくれた3つの教訓
近年でも阪神淡路大震災や東日本大震災の発生など、私たち日本人にとって巨大地震は決して遠い存在ではない。
言うまでもなく近い将来関東や東海など、巨大地震が日本列島を襲うことは間違いないだろう。
特に首都圏を襲う都市直下型地震には、十分な警戒が必要だ。
そこで最後に同じ都市型の直下地震として、1995年に1月7日に起きた阪神淡路大震災の教訓を載せておきたい。
- 原因の特定された火災 139件
- 電気系統からの火災 85件
震災で電気系統がダウン。その後電気が復旧し、通電した際に傷んだケーブルがショート。
避難の際にはブレーカーを落とす!
- 窒息・圧死 77%
- 熱死・熱傷 9%
- その他 14%
家屋の倒壊の他、家具やオフィス器具の転倒によって、多くの命が失われたと言われている。
家具は厳重に固定。やり過ぎということはない!
- 水道 90日
- ガス 83日
- 電気 7日
- 電話 6日
地上を走る電気と違い、水道やガスは配管が血中に埋まっている為、復旧に数ヶ月かかる恐れがある。
水は生命維持の要。飲料水をはじめとする非常品の蓄えは忘れずに!
当たり前のことだがやはり何事も基本は【備えあれば憂いなし】と言ったところか。
あわせて読みたい‼
【日本の自然災害ワーストランキング】日本に甚大な被害をもたらす自然災害と言えば地震や津波と並んで、台風や前線によってもたらされる暴風・洪水・水害などの被害。過去には今では考えられない被害をもたらした台風もあります。[…]
【地震】史上最悪の自然災害ワーストランキグ数ある自然災害の中でも、ケタ外れの被害をもたらす地震。今回取り上げなかった19世紀以前の地震の中にも、数万人から数十万人が死亡したとされる地震は度々報告されており、地球という生き物[…]
【津波】史上最悪の自然災害ワーストランキグ【Tunami】が世界共通語になるほど、地震と津波の国、日本。しかし世界には他にもとてつもない津波被害が存在する。世界の津波による概要・死者・被害比較。可能な限り津[…]
【色すなわちこれ空なり】