麻薬や危険ドラッグの広まりが留まるところを知らない。
こうした薬物と日々闘っているのが麻薬取締官、通称麻薬Gメン。
(※「麻薬捜査官」ではなく、「麻薬取締官」が正解)
警察庁に属する警察官(地方公務員)と思われがちだが、実は厚生労働省に属する国家公務員だ。
彼らは厚労省傘下の地方厚生局(地方支分部局)に設置されている、麻薬取締部に所属している。
何故警察官ではなく、厚労省の職員が?と思うが、彼らも司法上は立派な警察職員だ。
捜査権や逮捕権は勿論のこと、条件付きで小型武器の携帯も認められている。まさに我々のよく知る警察そのものだ。
もう少し詳しく見てみよう。
警察とは犯罪に対する「捜査権」や容疑者に対する「逮捕権」を有し、治安維持組織に属する公務員を指す。
この「警察」には我々のよく知るあの「警察」の他に、もうひとつ別の「警察」が存在する。
(一般)司法警察職員
代表格はもちろん警察官。(厳密に言うと巡査部長以上の警察官。それより下の階級の警察官は権限の低い「司法巡査」)
特別司法警察職員
専門分野における捜査に従事する警察職員。
代表格は麻薬取締官。
労働基準監督官もこれに属する。
麻薬取締部は麻薬犯罪専門の捜査機関だが、勿論犯罪全般を取り締まる警察にも、薬物を取り締まる部署がある。
何故二つの組織が存在するのかと言うと、
警察・・・薬物の所持者を検挙することが任務
麻薬取締部・・・薬物の蔓延を阻止するとこが任務
というように、任務や目的が違うから。
操作権に関して以下のような違いがあるらしい。
都道府県にはおとり捜査と捜査において麻薬の所持(譲渡も含む)が出来るか出来ないかです。
警察はどちらも認められていません。
例えば、おとり捜査においては密売人を逮捕する場合にも、警察は売買の際に犯罪を目撃した第三者として踏み込んで逮捕できますが、厚生労働省の麻薬取締官は自ら買い付けた上でその場で密売人を逮捕できます。
因みにこれらの組織とは別に、「麻薬捜査員」というのも存在する。
都道府県の裁量によって置かれる地方公務員(司法上は特別警察職員)で、権限は麻薬捜査官とほぼ同じ。
捜査が非常に似通っている為、この3つの組織は常に協力関係に有り、頻繁に組織の統合が話題に上がる。
増え続ける危険ドラッグや、ASKAや小向美奈子など、後を絶たない麻薬犯罪。
残念ながら彼らの名が表舞台に登場する機会は、今後も益々増えそうな勢いである。
あわせて読んでいただけると有難いですm(_ _)m